中2数学 連立方程式の文章題が立式できない理由|教え方の地図

中2数学の連立方程式の文章題を解説する記事のアイキャッチ 単元別のつまずき解説

連立方程式の文章題で式が立たない場合は、求める数量が2つあるのに文字を1つしか置けていないか、条件を2つ取り出せていない可能性があります。文字を2つ置き、条件ごとに表で式にする順で教えると、立式の手順を決めやすくなります。

この記事で分かること

  • 連立方程式の文章題で立式が止まる3つの背景(文字の数・条件の数・消去の符号)
  • 表で立式し、消去して解き、検算するまでの5つの手順(立式は手順1〜3)
  • 自作の類題で確かめる流れと、答えがずれる5つの誤答

本記事が扱うのは、文字の置き方、条件の見つけ方、表を使った立式と、解いて検算するまでの流れです。加減法・代入法の計算練習は扱いません。学年をまたいだ単元の並びは、算数・数学の学び方で見渡せます。

対象:中学校 平成29年告示 学習指導要領(2021年度全面実施)数学編・中2

中2数学の連立方程式では何を学ぶか

解説は、第2学年「A 数と式」の「(2)」で連立二元一次方程式を扱っています(中学校 平成29年告示 解説 数学編、印刷p.102・105〜106)。解説は、次の項目を挙げています。

  • 知識及び技能:二元一次方程式とその解の意味の理解、連立二元一次方程式の必要性と意味およびその解の意味の理解、程度の限定が付いた連立二元一次方程式を解くこと
  • 思考力、判断力、表現力等:一元一次方程式と関連付けた解き方の考察と表現、具体的な場面での活用

二つの式がともに成り立つ値の組を見つけることが、連立方程式を解くことだと、解説は説明しています(印刷p.106)。

この単元が内申点にどう反映されるかは、都道府県や学校によって異なります。内申点の決まり方は内申点はどこで決まるのか 提出物と定期テストで、中2の2学期の進め方は中2内申点を2学期で上げるための優先順位で扱っています。

連立方程式の文章題でつまずく3つの背景

以下の3点は、編集部が考えた見方です。解説に載っている背景ではありません。

  1. 求める数量が2つあるのに、文字を1つしか置けない。 一元一次方程式の文章題は文字1つで立式できたため、その型を引きずり、片方の数量を数のまま式に入れてしまいます。解説は、具体的な場面では変数を二つ使うほうが式に表しやすい場合が多い、と述べています(第2学年 A(2)、印刷p.107)。
  2. 条件を2つ取り出せない、または文字と数量の対応が崩れる。 文字が2つなら式も2本必要です。同じ量の関係を2回書くと、式は2本でも1本分の情報しかなく、解が決まりません。
  3. 文字を1つ消す発想がなく、消去の計算で符号を誤る。 2本の式を別々に解こうとして行き詰まるか、式を引くときやかっこをはずすときに、マイナスを全項に及ぼし忘れることがあります。解説は、一方の文字を消去すれば既知の一元一次方程式に帰着できると気付くことを挙げています。そこから、加減法や代入法による解き方の考察と表現へつなげています(印刷p.107)。

次の表は、お子さんの様子から、どの手順へ戻るかを決めるための編集部の目安です。診断ではありません。

お子さんの様子背景にありそうな点先に戻る手順
問題文を読んでも、x だけで式を書こうとする1(文字の数)手順1
式を1本しか書けない、2本が同じ内容になる、または式の途中で x と y の意味が入れ替わる2(条件の数と対応)手順1〜3
式は立てたが、消去の途中で止まる、答えが合わない3(消去と符号)手順4・5

連立方程式の文章題の教え方:表で立式してから消去、検算まで5つの手順

この順序は編集部の設計で、解説が定めた順ではありません。手順1〜3で立式を終えてから、手順4で消去の計算に進みます。答えが合わないとき、立式の誤りと計算の誤りを分けて見直せるためです。

連立方程式の文章題を教える5つの手順を示した図
  1. 求める2つの量を決め、x と y を割り当てさせる。 「何を x とし、何を y とするか」を、単位つきで1行ずつ書かせます。文字は2つ置いてよいと先に伝えると、1文字に押し込む癖が出にくくなります。
  2. 問題文から条件を2つ見つけ、線を引かせる。 個数の合計と代金の合計のように、着目する量が別々かを確かめます。同じ量を2回選ぶと、2本目が1本目の言い換えになるためです。
  3. 表に書き出し、各行を1本の式にさせる。 行には着目する量、列には x に当たるものと y に当たるものを並べ、合計の欄に問題文の数を入れます。行ごとに等号で結べば、式が2本そろいます。
  4. 文字を1つ消す方針を選び、一元一次方程式にして解かせる。 ある文字の係数が2式で同じか、そろえやすければ加減法です。一方が y=〜の形なら代入法です。消したあとは、中1の一次方程式と同じ手順で解けると伝えます。
  5. 求めた x と y の組を、2本の式の両方に代入させ、問題の条件にも合うか確かめさせる。 片方の式にしか代入しないと、消去の計算の誤りを見逃すことがあります。立式の誤りは問題の条件に当てて確かめ、個数が0以上の整数かなど、答えとして使えるかも見ます。

手順2・3の表は、解説が立式の段階について述べた次の記述を踏まえた、編集部の組み立てです。解説は、活用では解決過程を振り返る態度を養うことと、知識を身に付けることが大切だとしたうえで、次のように述べています。

特に立式の段階においては,数量の関係を捉えて,例えば,個数の関係,代金の関係,長さの関係,時間の関係,重さの関係など,ある特定の量に着目して式をつくるようにしたり,捉えた数量を表や線分図などで表してその関係を明らかにしたりすることも有効である。

(文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」第2学年 A(2)連立二元一次方程式 連立二元一次方程式を具体的な場面で活用すること(イの(イ)) 印刷p.107)

解説は、個数や代金の関係を例示として並べ、表のほかに線分図も挙げています。

手順3〜5の補足:例題を表と加減法で解く

例題(編集部作成):じゃがいもの袋(1袋220円)と玉ねぎの袋(1袋170円)を合わせて9袋買ったところ、代金の合計は1,730円でした。それぞれ何袋買ったかを求めます。

じゃがいも(x 袋)玉ねぎ(y 袋)合計
袋数(袋)xy9
代金(円)220x170y1730

袋数の行から x+y=9 …①、代金の行から 220x+170y=1730 …②がつくれます。①の両辺に170をかけた 170x+170y=1530 を②からひくと y が消え、50x=200、x=4、①から y=5 です。

検算は、②に代入して 880+850=1730、①は 4+5=9 で一致します。袋数も0以上の整数なので、じゃがいも4袋、玉ねぎ5袋が答えです。

確認問題(編集部作成)

【確認問題】(編集部作成)

問1 次の連立方程式を解いてください。

(1) y=2x−3、5x−2y=10

(2) 3x+2y=22、5x−4y=22

(3) 5x−2y=11、3x−2y=5

問2 お菓子の詰め合わせをつくります。1個30gのクッキーと1個45gのチョコレートを合わせて18個入れたところ、中身の重さの合計は660gでした。クッキーを x 個、チョコレートを y 個として、表で2つの式をつくり、それぞれの個数を求めてください。

【解答】

問1 (1) x=4、y=5 (2) x=6、y=2 (3) x=3、y=2

問2 x+y=18、30x+45y=660 で、x=10、y=8(クッキー10個、チョコレート8個)

【解説】

問1は、手順4と5です。検算は、元の2本の式への代入で行います。

  • (1) 1本目が y=〜の形なので代入法です。5x−2(2x−3)=10 から 5x−4x+6=10、x=4、y=5 です。
  • (2) 1本目を2倍した 6x+4y=44 と2本目を足すと y が消え、11x=66、x=6、y=2 です。
  • (3) y の係数が同じなので、1本目から2本目をひきます。2x=6 で x=3、y=2 です。

問2は、手順1〜5の通しです。手順1〜3で x、y と2つの条件(個数・重さ)を決め、表にします。

クッキー(x 個)チョコレート(y 個)合計
個数(個)xy18
重さ(g)30x45y660

個数の行から x+y=18、重さの行から 30x+45y=660 です。手順4で、1本目を30倍した 30x+30y=540 を2本目からひくと 15y=120、y=8、x=10 です。手順5で、30×10+45×8=660 と 10+8=18、個数が0以上の整数であることを確かめます。

※本問は編集部が作成したオリジナル問題です。学校のテスト・教科書・市販ドリルからの転載ではありません。

間違えやすい罠:立式・消去・符号で答えがずれる理由

下の5つは、問1・問2と例題で起こりうる誤りです。右端の列の理由は、編集部が立てた仮説です。

やりがちな間違い正しい進め方なぜずれるか
問2を 30x+45=660 と立て、x=20.5 と答える重さの式は 30x+45y=660。x=20.5 は個数として使えないチョコレートの重さ45gに y を掛けず、2つの量を1つの文字で表そうとしているため
問2で個数の関係を2回書き、x+y=18 と 2x+2y=36 を連立する2本目は重さの関係 30x+45y=660。誤答の2本は x=10、y=8 でも x=9、y=9 でも成り立ち、組が決まらない着目する量を1つしか選ばず、2本目が1本目の言い換えになっているため
例題で x をじゃがいも、y を玉ねぎと決めたのに、170x+220y=1730 と書き、x=5、y=4 と答える代金の式は 220x+170y=1730。誤答の組は、じゃがいも5袋と玉ねぎ4袋で 220×5+170×4=1780 になり、1,730円と合わないx と y が何を表すかを書き残さず、式の途中で割り当てが入れ替わるため
問1(3)で、5x−2y=11 から 3x−2y=5 をひくとき、−2y−(−2y) を −4y とし、2x−4y=6 で止まる−2y−(−2y)=0 なので y が消え、2x=6、x=3ひく側の −2y の符号を見落とし、−2y−2y と計算して、消えるはずの y の項が残るため
問1(1)で 5x−2(2x−3) を 5x−4x−6 と展開し、x=16、y=29 と答える−2(2x−3)=−4x+6 なので 5x−4x+6=10、x=4、y=5。x=16、y=29 を 5x−2y=10 に入れると 80−58=22 で合わないかっこの前のマイナスを、かっこの中の −3 にかけ忘れるため

1〜3行目は立式の誤りで、問題の条件に当てると見つかります。4行目は y が消えずに止まり、5行目は元の式に代入すると食い違う、消去の誤りです。

次に学ぶ単元:中2の一次関数へ/前の単元:中1の空間図形の表面積へ

解説は、第1学年の一元一次方程式の学習の上に、第2学年の連立二元一次方程式を位置づけて説明しています(印刷p.106)。あわせて、解の意味の理解は、二元一次方程式のグラフと一次関数を結び付けると一層深められる、とも述べています(印刷p.106)。前後に置いた単元は、本サイトが学習順を考えて並べた記事です。

【出典】

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説」一覧ページ(【数学編】収録) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387016.htm (2026-10-03 確認)
  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」PDF https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_004.pdf (2026-10-03 確認)

※本文で「解説は〜」と述べた箇所のうち、引用ブロック以外は、上記の解説をもとに教え方の地図 編集部が要約・加工したものです。文部科学省が作成した文章ではありません。

※学習指導要領は改訂されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。

まとめ

  1. つまずきの背景は、文字の数、条件の数と対応、消去と符号の3点です(編集部の整理)。
  2. 教える順は、量の割り当て、条件の発見、表で2本の式、消去、検算の5段階です。
  3. 立式は、着目する量ごとに表の行をつくり、各行を1本の式にします。検算は、2本の式への代入と問題の条件への照合です。
  4. 本サイトの学習順では、前の単元は中1の空間図形の表面積、次の単元は中2の一次関数です。

本記事は家庭学習の参考情報であり、学校・専門機関の指導に代わるものではありません。 学習指導要領・教科書の内容は改訂されることがあります。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。 → 免責事項

最終確認日:2026-10-03

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