内申点はどこで決まるのか 提出物と定期テスト|教え方の地図

内申点の決まり方を解説する記事のアイキャッチ テスト・内申・高校受験戦略

内申点が何で決まるのか分からず、提出物と定期テストのどちらを優先するか迷う保護者の方へ。内申点は、学校の評価と、都道府県ごとの入試での使われ方の2段階で決まります。

この記事で分かること

  • 内申点が決まるまでの流れ(3つの観点・評定・調査書)
  • 東京都・神奈川県・大阪府の令和9年度の資料に見る、使われ方の違い
  • 家庭で確認できることと、やりがちな失敗

本記事が扱うのは、内申点が決まる仕組みの全体像です。学年別の進め方、定期テスト前の勉強の配分、特定の学校や都道府県の細かな算出方法は扱いません。中2の2学期の進め方は中2内申点を2学期で上げるための優先順位で、テスト前の時間配分は定期テスト前1週間の教科別勉強法の決め方で扱います。

対象:中学校 平成29年告示 学習指導要領(2021年度全面実施)の学習評価と、令和9年度(2027年度)の東京都・神奈川県・大阪府の公立高校入学者選抜

内申点はどこで決まるのか:学校の評価と入試での使われ方の2段階

結論は、次の2段階です(編集部の整理)。保護者の間で「内申点」と呼ばれるものは、この2つが重なって決まります。

  1. 学校の評価で決まる部分:中学校が、教科ごとに3つの観点の評価(A・B・C)をつけ、それを5段階の評定にまとめます。まとめ方は各学校が定めます。
  2. 入試での使われ方で決まる部分:調査書に載った評定を、どの学年の分、どのような比率で点数にするかは、都道府県や高校によって異なります。

このため、提出物と定期テストのどちらを優先するかは、一般論では決まりません。通われている学校の評価規準と、居住する都道府県の入試での使われ方を確認して、優先順位をつけます。

「内申点」は通称です。公表資料では、東京都が評定を点数にしたものを「調査書点」、神奈川県が「学習の記録(評定)」、大阪府が「調査書の評定」と呼んでいます。本記事では、評定と、それを入試で点数にしたものをまとめて「内申点」と書きます。

内申点が分かりにくくなる3つの誤解

保護者の方が内申点を見通しにくくなる背景を、編集部が3点に整理しました。

  1. 「定期テストの点数で決まる」と見ている。 2019年の中央教育審議会教育課程部会の報告は、テストの点だけに頼らず、複数の方法で多面的に見る必要があると述べています。
  2. 「提出物や授業態度そのものが点になる」と見ている。 報告は、「主体的に学習に取り組む態度」を、挙手の回数やノートの取り方といった形式的な活動で評価するものではないと説明しています。見るのは、学習の進め方を見直しながら粘り強く学ぼうとしているか、という意思的な面です。材料の使い方は学校ごとに異なるため、評価規準で確認します。
  3. 「入試での使われ方は、どの地域でも同じ」と見ている。 報告は、評定の決め方は各学校が定め、入学者選抜での扱いは選抜を行う高校などが検討するとしています。違いは後述の表のとおりです。

内申点の土台になる3観点と評定:調査書までの流れ

内申点の土台は、教科ごとの観点別学習状況の評価です。ここから評定、調査書へと進む流れを、図と表で整理します。

内申点が決まるまでの4段階の流れを示した図

中学校では、教科ごとに3つの観点でA・B・Cの評価をつけます。観点別の評価として記録する場面は、授業のたびではなく、単元や題材といった区切りごとに絞るのが原則だと、国立教育政策研究所のハンドブックは説明しています。

観点見ること評価方法の例
知識・技能習得した知識や技能を、ほかの場面でも使える程度に理解し、身につけているか事実を問う問題と概念の理解を問う問題を組み合わせたテスト、式やグラフで表す場面
思考・判断・表現知識や技能を使って課題を解決するための、考える力・判断する力・表現する力作品の制作、論述、グループでの話合い、発表、レポートの作成
主体的に学習に取り組む態度自分の学習の状況をつかみ、進め方を調整しながら学ぼうとしているか授業中の発言、教師の行動観察、自己評価・相互評価、ノートやレポートの記述などを、評価の判断材料の一つに使う(報告が挙げる例)

観点別の評価は、教科全体の学習状況を5段階で表す評定(中学校は1〜5)にまとめられます。評定にまとめる際の観点ごとの重みが学校で異なる点は、報告も指摘しています。評定は、指導要録の記載をもとに作られる調査書に載り、高校入試の資料になる流れです。

保護者の間で言われる「提出物・定期テスト・授業態度」は、公表資料が定める観点の名前ではなく、評価の材料を指す呼び方です。どの材料が3観点のどこで使われ、評定にどう反映されるかは、学校ごとに異なります。

ここまでの3観点と評定は、現行の学習評価(平成29年告示)に基づく仕組みです。次期学習指導要領に向けて学習評価の見直しも審議されており、制度が変わる場合があります(2026年10月3日時点)。

内申点の使われ方は都道府県で違う:東京都・神奈川県・大阪府の例

ここでは、3都府県の令和9年度の資料を並べます。

令和9年度(2027年度)の入学者選抜は、現在の中3のお子さんが受ける入試にあたります。中1・中2のお子さんの入試年度の資料は、ここで挙げる内容と同じとは限らない点に注意が必要です。以下は2026年10月3日に確認した全日制の例で、推薦・定時制・特別な選抜には別の定めがあります。

都道府県(令和9年度)内申点に使う学年入試での使われ方学校・高校ごとの違い、その他の定め
東京都(都立高校の第一次募集・全日制)中3の評定。成績一覧表は令和8年(2026年)12月31日現在で作り、中3の1・2学期(二学期制の学校は前期と後期の12月31日まで)の成績を十分参考にする9教科の評定を、学力検査を行う教科は1倍、行わない教科は2倍にして調査書点を出す。学力検査と調査書点の比は、全日制で原則7対3学科によって比が異なる。芸術・体育の学科は6対4で、受検者ごとに7対3と10対0の高いほうを使う学校もある
神奈川県(県公立高校の共通選抜・全日制)中2と中3の評定。中3の評定は2倍にして合算する9教科の評定を合算して135点満点とし、100点満点に換算する。中3の「主体的に学習に取り組む態度」の評価を教科ごとにA=3点・B=2点・C=1点とみなした合計も、第2次選考の資料に使う評定と学力検査の比率は学校ごとに定める。教科によっては2倍まで重点化する学校がある
大阪府(府公立高校の一般入学者選抜・全日制)中1〜中3の評定9教科の評定に学年ごとの倍率をかけて合算する(中3は6倍、中2と中1は各2倍で450点)。学力検査と調査書の比は、5つのタイプ(7対3〜3対7)から高校ごとに決まる各中学校がつけた評定が府全体の状況に照らして適正かを、チャレンジテストの結果で確認する「府内統一ルール」がある

同じ内申点でも、上の選抜で使う学年は、東京都が1学年分、神奈川県が2学年分、大阪府が3学年分です。東京都と神奈川県では中1の評定が点数に使われず、大阪府では使われます。

東京都の一般推薦は表とは別の選抜区分で、観点別の評価(全27観点)と評定のどちらか一方を調査書点にします。

3都府県の資料では、選抜の方法は都府県の教育委員会が定め、評定そのものは各中学校がつけます。学力検査との比率は、神奈川県と大阪府では高校ごとの設定で、東京都では実施要綱の定めです。居住する都道府県の教育委員会の要項や募集案内で、使う学年、学力検査との比率、評定か観点別評価かの3点を確認します。

内申点について家庭で確認できること:評価規準・通知表・提出物

評価の材料や見方は学校ごとに異なるため、家庭では次の5点を確認します。

確認すること確認先確認する理由
学校の評価規準と評価方法(観点ごとに何を見て、どの場面で評価するか)保護者向けの配布資料、保護者会、担任や教科担当への質問観点の重み付けは学校ごとに異なる。国立教育政策研究所のハンドブックは、学校が保護者に評価を説明することが共通理解につながるとしている
通知表の観点別評価(A・B・C)と評定の対応通知表観点別の評価は、どの観点に課題があるかを教科ごとに示すため。大阪府の資料は、調査書の評定が通知表等の評定と異なる場合があると書いている
提出物の種類・期限・提出方法・再提出の扱い学校の配布資料、授業での案内提出物をどう評価の材料にするかは、学校の評価規準と評価方法による。期限を家庭で一覧にすると管理しやすい
定期テストで点を落とした問題の種類(知識を問う問題か、説明や活用を求める問題か)返却された答案テストでも、知識・技能と思考・判断・表現の両方を見ることがある
居住する都道府県の入試での使われ方都道府県教育委員会の入学者選抜の要項、募集案内使う学年と比率が都道府県で異なるため

定期テストで点を落とした単元は、つまずきの原因を単元ごとに分けて確認すると、次の学習につなげやすくなります。たとえば中2数学では、中2数学 連立方程式の文章題が立式できない理由と中2数学 一次関数がわからない理由と教え方で、つまずきの構造を整理しています。前者は場面を式に直す段階が中心で、後者は式・表・グラフの行き来が中心です。どの観点で評価されるかは学校の評価規準によるため、まず答案で点を落とした問題の種類を確認します。

前の学年に戻る必要があるかは、単元のつながりを整理した算数・数学の学び方 学年別につまずきを整理で確認できます。

内申点でやりがちな失敗:家庭での進め方の4例

家庭での進め方で起こりうるずれを表にまとめました。右列は、公表資料を踏まえた編集部の整理です。

やりがちな進め方起きること直し方
評定の数字の上下だけを見るどの観点に課題があるのか分からないまま、勉強の方向を決めることになる。報告も、関心が評定に集中していると指摘している通知表の観点別評価を教科ごとに見て、BやCの観点を確認する
挙手の回数やノートの見た目を整えることを目標にする態度の評価の趣旨とずれる。報告は、形式的な活動では評価しないと説明している学習の進め方を振り返り、見直せているかを話題にする
提出物を出せば態度の評価が上がると考えるノートなどの記述だけを切り離して態度の評価にするのは適切でないとされる期限を守ったうえで、提出物の内容の理解も見直す
他の都道府県や知人の数字を、そのまま当てはめる使う学年と比率が違うため、見通しがずれる居住する都道府県の教育委員会の資料で、学年と比率を確認する。中1・中2の評定の扱いも確かめる

内申点のこの整理が使えない場合

次の場合は、ここまでの整理がそのまま当てはまりません。

  • 私立高校・国立高校・高等専門学校を受ける場合。 本記事が確認したのは公立高校の資料です。調査書の使い方は、各校の募集要項で確認します。
  • 東京都・神奈川県・大阪府以外の公立高校を受ける場合。 使う学年や比率は都道府県で異なります。受験する都道府県の教育委員会の資料を確認します。
  • 評定を使わない、または別の方法で使う選抜の場合。 神奈川県のクリエイティブスクールは評定を取り扱わず、観点別学習状況を使うと公表されています。設置趣旨が異なるほかの一部の学校も、表とは別の算出で選考する対象です。東京都のエンカレッジスクールも、観点別の評価で調査書点を出します。
  • 出席日数が少ないなどの理由で、評定がつけられない教科がある場合。 東京都の令和9年度の実施要綱は、評定が斜線の教科がある受検者の調査書点を、参考にできる資料を使って各都立高校が求めると定めています。扱いは都道府県や高校で異なります。

【出典】

  • 文部科学省「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(中央教育審議会教育課程部会・平成31年(2019年)1月21日) https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/01/__icsFiles/afieldfile/2019/01/21/1412838_1_1.pdf (2026-10-03 確認)
  • 文部科学省・国立教育政策研究所「学習評価の在り方ハンドブック(小・中学校編)」(令和元年(2019年)6月) https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/gakushuhyouka_R010613-01.pdf (2026-10-03 確認)
  • 東京都教育委員会「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」(令和8年(2026年)9月公表) https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kyoiku/20260916_r9_01 (2026-10-03 確認)
  • 神奈川県教育委員会「令和9年度神奈川県公立高等学校入学者選抜募集案内2」選考基準について(印刷p.8) https://www.pref.kanagawa.jp/documents/63367/bosyuannai2_senkokijun.pdf (2026-10-03 確認)
  • 大阪府教育委員会「大阪府公立高等学校入学者選抜の方法(一般入学者選抜・全日制)」(令和9年度選抜のページ掲載) https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/129117/r9_senbatsuhouhou_ippan_zennichi.pdf (2026-10-03 確認)
  • 大阪府教育委員会「調査書評定の府内統一ルールのお知らせ」(令和9年度選抜のページに令和8年(2026年)6月4日付で掲載) https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/129117/r08tyousashoruru_oshirase.pdf (2026-10-03 確認)
  • 文部科学省 教育課程企画特別部会「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(案)」(第18回・令和8年(2026年)9月25日) https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/101/siryo/mext_00057.html (2026-10-03 確認)

※本文で上の資料の内容を述べた箇所は、教え方の地図 編集部が要約・加工したものです。文部科学省・国立教育政策研究所・各都道府県教育委員会が作成した文章ではありません。

※学習評価の考え方や入試制度は、改訂・変更されることがあります。本記事の記述は上記資料の確認時点のものです。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。

まとめ

  1. 内申点は、学校が3観点で評価して評定にまとめる段階と、都道府県・高校が入試で点数にする段階の2段階で決まります。
  2. 3観点は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」で、中学校の評定は5段階です。
  3. 「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手の回数やノートの取り方といった形式的な活動では評価しないと、国の報告は説明しています。
  4. 使う学年と学力検査との比率は都道府県で異なります。令和9年度の例では、東京都の第一次募集は中3、神奈川県の共通選抜は中2・中3、大阪府の一般入学者選抜(全日制)は中1〜中3の評定を使います。
  5. 家庭では、評価規準、通知表の観点別評価、提出物の期限、答案で点を落とした問題、居住地の入試での使われ方の5点を確認します。

本記事は家庭学習の参考情報であり、学校・専門機関の指導に代わるものではありません。 学習指導要領・教科書の内容は改訂されることがあります。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。 → 免責事項

最終確認日:2026-10-03

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