小6算数 比のつまずきと教え方 比の値の考え方|教え方の地図

小6の比と比の値の教え方を解説する記事のアイキャッチ 単元別のつまずき解説

比の問題で手が止まる場合は、a:b の組と比の値(1つの数)が混ざり、等しい比の確かめ方も決まっていない可能性があります。「比は組、比の値は a÷b の1つの数」という区別を先に固定し、比の値で確かめる順に教えると、お子さんが検算しやすくなります。

この記事で分かること

  • 小6の比で迷う3つの理由(組と数の区別・並べる順・等しい比のつくり方)
  • 比の値を使って等しい比を確かめる4つの手順
  • 自作の確認問題2問と、起こりやすい誤答の型

本記事は、小6の比のうち、a:b の書き方・比の値・等しい比のつくり方と確かめ方だけを扱います。割合そのものの意味や、2つの量の変わり方(比例と反比例)は扱いません。教科全体の順番は算数・数学の学び方にまとめています。

対象:小学校 平成29年告示 学習指導要領(2020年度全面実施)算数編・小6

小6の比では何を学ぶか:a:b の書き方と比の値の位置づけ

文部科学省の学習指導要領(小学校 平成29年告示)解説 算数編(以下「解説」)では、第6学年の「C 変化と関係」のうち「(2) 比」が、比を学ぶ項目です。知識及び技能としては、等しい比をつくることと、数量の関係を比で表すこと、比の意味と表し方の理解が挙げられています(印刷p.304)。

比とは何かについては、解説の次の記述が手がかりになります。

二つの数量の大きさを比較しその割合を表す場合に,どちらか一方を基準量とすることなく,簡単な整数などの組を用いて表す方法が比である。第5学年までに,倍や割合に関する指導,分数の指導,比例関係に関する指導などの中で,比の素地を指導してきている。

(文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」第6学年 C(2)比 ア 知識及び技能 (ア) 比 印刷p.304)

この2文は、比の定義と、小5までの学習が比の素地とされている点を示すために引きました。

解説は、「比の値」と「比の相等(等しい比)」を、理解させる内容に挙げています(印刷p.304〜305)。比の値は、a:b から a÷b で求める1つの数で、分数で書けば b 分の a です。

割合との関係は、次のとおりです。割合は、一方をもとにする量(解説の「基準量」)とし、もう一方がその何倍かを1つの数で表す方法です。割合の意味があいまいな場合は、先に小5算数 割合の文章題が苦手な理由と教え方で、もとにする量の決め方を確かめます。比は、もとにする量を決めず、簡単な整数などの組で2つの量の関係を表します。比の値 a÷b は、a を比べる量、b をもとにする量としたときの割合と同じ数です。

比でつまずく3つの理由:a:b の書き方・比の値・等しい比

編集部は、手が止まる場面を、組と数の区別・並べる順・等しい比のつくり方の3点に分けました。分数の計算で止まる場合は別に扱います。解説の区分ではありません。

  1. 比(組)と比の値(1つの数)が混ざる。 「比を求めなさい」には 7:4 のような組で、「比の値を求めなさい」には 7/4 のような1つの数で答えます。問われた形を読まず、片方で答える場面があります。2つの数から1つの数を作る点は、小5算数 速さ・時間・道のりの求め方のつまずきの道のり÷時間と同じ形です。
  2. 並べる順が意味を持つことを見落とす。 「トマトとナスの比」は、言葉の順にトマト:ナスと書きます。順を入れ替えると、比の値も 7/4 から 4/7 に変わります。割合では、もとにする量を決めてから、わり算の向きを選びました。比にはその手順がなく、向きの手がかりは言葉の順になります。
  3. 等しい比のつくり方が、足し算に流れる。 7:4 の両方に1を足した 8:5 を、等しい比と考える場面があります。比の値は 7/4 と 8/5 で、同じ数ではありません。等しい比は、2つの数を同じ倍に動かしてつくります。

様子ごとに、戻る手順の候補を並べます。原因の判定には使えません。

お子さんの様子背景にありそうな点先に戻る手順
「比の値」を問われて、7:4 のような組で答える1(組と数の区別)手順3
「トマトとナスの比」を、逆の順に書く2(並べる順)手順1
等しい比を、両方に同じ数を足してつくる3(つくり方)手順4
比の値を出す段階で、分数の計算が合わない3 の確かめの段階(分数の計算)手順3・分数の計算

比の値を使って等しい比を確かめる4つの手順

教える順は、言葉から入り、組と数の区別を先に固定します。編集部は、計算から入ると答えの形が曖昧になりやすいと考えます。手順の組み立ては編集部の整理で、解説に書かれたものではありません。例は、「トマトの苗が28本、ナスの苗が16本あります。トマトとナスの本数の比を表し、等しい比を1つつくりなさい」です。

比の値を使って等しい比を確かめる4つの手順を示した図
  1. 言葉の順に、a:b と書かせる。 「トマトとナスの比」なら、トマト:ナス=28:16です。順を先に決めると、比の値でわる向きが迷いにくくなります。
  2. 2つの数を同じ数でわり、これ以上われない整数の組にさせる。 28と16はどちらも4でわれるので、7:4です。途中で止まったら、まだわれる数がないか見直します。
  3. 比の値を a÷b で求め、比とは別の行に書かせる。 7÷4=7/4です。「比 7:4」「比の値 7/4」と別の行に書くと、組と数の区別が見えます。簡単にする前の28÷16も7/4で、簡単にしても比の値は変わりません。
  4. 等しい比をつくり、比の値で確かめさせる。 7:4の両方に3をかけた21:12は、21÷12=7/4で比の値が同じなので、等しい比です。両方に1を足した8:5は、8÷5=8/5で7/4と違うため、等しくありません。

比の一方が分からないときは、同じ倍にそろえる

一方の量が分かっていて、もう一方を求める場面も、手順4を使います。7:4=35:□なら、7から35は5倍なので、4も5倍して20です。比の値から 7/4=35÷□ と立てる方法は分数のわり算が入るため、倍で考える方法を先に教えるほうが、進めやすくなります。

比の一方が分数のとき:比の値の計算を確かめる

比の値は a÷b なので、a や b が分数の比では、比の値を求める計算が分数のわり算になります。1/4:3 の比の値は 1/4÷3=1/12 で、分数÷整数の計算です。手が止まる場合は、小6算数 分数を整数でわる計算がわからない理由で図と手順を確かめます。2/5:1/3 の比の値は 2/5÷1/3=6/5 で、分数÷分数の計算です。分数÷分数で止まる場合は、小6算数 分数のわり算のつまずき 教え方に戻ると進めやすくなります。

確認問題(編集部作成)

手順の練習用に、類題を2問用意しました。問1は比の値から等しい比かを判断する問題、問2は比の一方の量を求める問題です。

【確認問題】(編集部作成)

問1 公園の花壇Aには、チューリップが18本、パンジーが24本植えてあります。「ア チューリップ30本、パンジー40本」と「イ チューリップ20本、パンジー26本」のうち、花壇Aと本数の比が等しいのはどちらですか。比の値を使って理由を説明しなさい。

問2 縦と横の長さの比が5:8の長方形の写真パネルを作ります。横を72cmにすると、縦は何cmですか。倍で考える方法と、比の値を使う方法の2通りで求めなさい。

【解答】

問1 答え ア 花壇Aの比の値は18÷24=3/4です。アは30÷40=3/4で同じ数、イは20÷26=10/13で、3/4(通分すると39/52)とは別の数です。

問2 答え 45cm 倍で考える方法は、72÷8=9(倍)、5×9=45。比の値を使う方法は、縦÷横=5/8なので、縦=72×5/8=45。

【解説】

問1は、手順1で18:24と順を決め、手順2で3:4に、手順3で比の値3/4にします。手順4で、アとイの比の値を比べます。アは3:4を10倍した30:40で、イは両方に2を足した形です。

問2は、手順1で縦:横=5:8と決めます。72は8の9倍なので、手順4のとおり5も9倍して45です。比の値を使う方法は、手順3の5/8から、縦=横×5/8と式を立てます。

※本問は編集部が作成したオリジナル問題です。学校のテスト・教科書・市販ドリルからの転載ではありません。

間違えやすい罠:比の値と等しい比の取り違え

誤答の型を5つ選び、表に整理します。

やりがちな間違い正しい進め方なぜずれるか
問1の手順3で、比の値を3:4と書く18÷24=3/4と、1つの数で書く比(組)と比の値(数)の答えの形が混ざるため
問1で、チューリップとパンジーの比を24:18と書く言葉の順に18:24と書く順を入れ替えると、比の値が3/4から4/3に変わるため
問1で、18:24の両方に2を足した20:26を、等しい比とする3:4の両方に同じ数をかける(30:40など)足し算では、2つの数の倍の関係が保たれないため
問2で、5と8の差3を使い、72−3=69を縦とする72は8の9倍なので、5も9倍して45差ではなく、倍の関係を使う場面のため
問1で、18:24を9:12で止める9と12は3でわれるので、3:4まで簡単にする比の値は変わらず、比の値による確かめでは気づきにくいため

1・2・5行目は手順1〜3の書き方の確認で、3・4行目は手順4で比の値を出すと、見つけやすくなります。

次に学ぶ単元:小6の比例と反比例へ/前の単元:小5の速さへ

編集部の学習順は、小5の速さを前の単元に、小6の比例と反比例を次の単元に置く並びです。比から比例と反比例へ進む順は編集部が決めたもので、解説の記述に基づく並びではありません。解説(印刷p.305)には、比と比例・反比例の関連を述べた箇所があります。

比の次は、2つの量が一緒に変わる関係を扱う小6算数 比例と反比例のつまずき 表で見分けるへ進みます。

【出典】

  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」一覧ページ(【算数編】収録) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htm (2026-10-17 確認)
  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」PDF https://www.mext.go.jp/content/20211102-mxt_kyoiku02-100002607_04.pdf (2026-10-17 確認)

※本文で「解説は〜」と述べた箇所のうち、引用ブロック以外は、上記の解説をもとに教え方の地図 編集部が要約・加工したものです。文部科学省が作成した文章ではありません。

※学習指導要領は改訂されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。

まとめ

  1. 比は第6学年「C 変化と関係」の「(2) 比」で学ぶ内容です。もとにする量を決めず、簡単な整数などの組で関係を表します。
  2. つまずきの整理は編集部の見方で、組と数の区別・並べる順・等しい比のつくり方の3点です。
  3. 教える順は、言葉の順に書く、簡単にする、比の値を出す、比の値で確かめる、の4段階です。
  4. 等しい比は、同じ数をかけるかわるかでつくります。足し算では、比の値が変わります。
  5. 前の単元は小5の速さ、次の単元は小6の比例と反比例です。

本記事は家庭学習の参考情報であり、学校・専門機関の指導に代わるものではありません。 学習指導要領・教科書の内容は改訂されることがあります。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。 → 免責事項

最終確認日:2026-10-17

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