小5算数 図形の角度がわからない理由と教え方|教え方の地図

小5の図形の角度の教え方を解説する記事のアイキャッチ 単元別のつまずき解説

三角形や四角形の角度で手が止まる場合は、内角の和が数字だけの記憶になっている可能性があります。紙で確かめ、図に書き込んでから式を立てる順で教えると、式を選びやすくなります。

この記事で分かること

  • 三角形・四角形の角度で、手が止まる3つの背景
  • 内角の和を確かめてから四角形へ進む、4つの教え方の手順
  • 編集部作成の確認問題2問と、誤答が生まれる理由の整理

本記事は、小5の三角形・四角形の角の大きさを求める問題に絞って扱います。全体像を先に見たい場合は小5算数の攻略ガイドを、学年をまたいだ順番を知りたい場合は算数・数学の学び方をご覧ください。

対象:小学校 平成29年告示 学習指導要領(2020年度全面実施)算数編・小5

小5の図形の角度では何を学ぶか

学習指導要領(小学校 平成29年告示)解説 算数編では、三角形や四角形の角の性質は、第5学年の「B 図形」にある「(1) 平面図形の性質」に置かれています。角を度(°)で測る学習は第4学年の「B(5) 角の大きさ」で、直角が90度、半回転が180度、1回転が360度という関係も第4学年で扱います。

第5学年の解説は、三角形の3つの角の和が、形によらず180度になることを挙げています。四角形の4つの角の和は360度で、その説明には三角形の性質を使えるとしています。

「内角」という語は、解説の小5の記述にはなく、付録の中学校数学・第2学年の〔用語・記号〕にあります。本記事では、保護者の方に伝わりやすい「内角の和」を使い、お子さんには解説に近い「三つの角の大きさの和」で話します。

割合は「C 変化と関係」の領域で、図形とは別です。割合でつまずいていても、本記事の手順は切り離して使えます。割合の文章題は小5算数 割合の文章題が苦手な理由と教え方で扱っています。

図形の角度でつまずく3つの背景

角度の問題で止まる理由は、引き算の計算より手前にある場合があります。次の3点は、編集部が整理した見方です。お子さんがどこで止まるかを、先に見分けておきます。

  1. 内角の和が、意味のない数字になっている。 三角形は180、四角形は360と覚えていても、四角形で180を使ってしまう形です。
  2. 求める角がどれか、図から読み取れない。 図の向きが変わる、角が記号(ア・イ)で示されるなどで、問われた角を見失う形です。辺が長く見える側を、大きい角と取り違える例もあります。
  3. 四角形を三角形に分ける見方がない。 四角形の和を数字で覚えていても、図の中に三角形を見つける見方につながっていない形です。

2点目のうち、辺が長く見える側を大きい角と取り違える点は、第4学年の解説も、辺の長さと角の大きさの混同として触れています。角の大きさは、辺の長さではなく、2本の辺の開き具合で捉えるのが基本です。

3点目に関わる記述として、四角形の角の和を三角形から考えられる点を、解説から引いておきます。

四角形の四つの角の大きさの和は,三角形の三つの角の大きさの和が180度であることを基にして考えることができる。

(文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」第5学年 B(1)平面図形の性質 イ 思考力,判断力,表現力等 (ア) 図形を構成する要素及び図形間の関係に着目し,構成の仕方を考察したり,図形の性質を見いだし,その性質を筋道を立てて考え説明したりすること 印刷p.254)

お子さんの様子から背景を見当づけるための、編集部の目安です。理解度の判定には使えません。

お子さんの様子背景にありそうな点先に戻る手順
180と360のどちらを使うか迷い、理由を言えない1(内角の和が数字だけの記憶)手順1・3
式は立てるが、求める角とは別の角を答える2(求める角の読み取り)手順2
四角形の問題で、図に何も書き込まず固まる3(三角形に分ける見方)手順3

図形の角度の教え方:内角の和を確かめてから四角形へ進む4つの手順

教える順は、内角の和を手で確かめ、図に書き込み、式を立てる順です。式から入ると、180と360の使い分けが数字だけの記憶になりやすいためです。

解説は、角の和の調べ方として、角を寄せ集める方法などを挙げ、複数の三角形で確かめるほうが説明が確かになるとしています。本記事は、そのうち家庭で用意しやすい寄せ集めを手順1に使います。

図形の角度を教える4つの手順を示した図

以下は、「四角形ABCDで、角Aは96度、角Bは78度、角Cは105度のとき、角Dは何度か」を例にした手順です。

  1. 三角形の内角の和を、紙で確かめさせる。 形の違う三角形を紙で2つ作り、三つの角をちぎって、頂点を1点に合わせて並べます。どちらも一直線、つまり半回転の180度になるはずです。確かめてから教えると、あとで360度の理由も説明しやすくなります。
  2. 求める角に印をつけ、分かっている角を図に書き込ませる。 四角形ABCDの図で、角Dに「?」を、角A・B・Cに96・78・105を書き込みます。図に書く前に式を立てると、足す数と引く数を取り違えやすくなります。
  3. 三角形に分けて、使う和を決めさせる。 頂点Aと頂点Cを結ぶ対角線で、四角形は三角形2つに分かれます。三角形1つの和が180度なので、四角形の和は180×2で360度です。求める角Dは、360−(96+78+105)=81度です。
  4. 合計で検算し、図の見た目とも照らさせる。 96+78+105+81=360と、4つの角の和が360度に戻るかを確かめます。81度は直角より小さいため、図の角Dも直角より小さく見えるはずです。分度器があれば、測った値と見比べるのも一つの方法です。

手順の補足:多角形の角の和は三角形の数で決まる

解説の図には、対角線を1本引く方法のほかに、四角形の内側に点を取って三角形を4つつくり、180×4から点の周りの360度を引く方法もあります。別の分け方でも、結果が同じになるかで確かめられます。

三角形に分ける見方は、五角形にも広がります。解説は、五角形の角の和が540度になることも、三角形の性質から分かると述べています。

図形1つの頂点から対角線で分けた三角形の数角の和
三角形1つ180度
四角形2つ180×2=360度
五角形3つ180×3=540度

表の「三角形の数」は編集部の整理で、五角形の問題は本記事では扱いません。

確認問題(編集部作成)

自作の類題を2問置きます。問1は条件が文章で示された三角形、問2は同じ大きさの2つの角がある四角形です。図は載せていないため、お子さんに描かせてから考えさせます。

【確認問題】(編集部作成)

問1 三角形ABCがあります。角Aは58度で、角Bは角Aより15度大きい角です。角Cは何度ですか。

問2 四角形ABCDがあります。角Aと角Bは同じ大きさで、角Cは112度、角Dは64度です。角Aは何度ですか。

【解答】

問1 58 + 15 = 73、180 − (58 + 73) = 49(度)

問2 360 − (112 + 64) = 184、184 ÷ 2 = 92(度)

【解説】

問1は、手順2で求める角Cに「?」をつけ、角Aに58を書き込みます。角Bは数が書かれていないため、先に58+15=73度と出して図に足します。手順3で三角形なので180度を使い、180−(58+73)=49度です。手順4で58+73+49=180に戻り、角Bが最も大きいという条件とも合います。

問2は、手順2で求める角Aと、同じ大きさの角Bの両方に「?」をつけます。手順3で四角形なので360度を使い、角Cと角Dの和176度を引くと184度が残ります。これは角Aと角Bの2つ分なので、2でわって92度です。手順4で92+92+112+64=360と戻ります。

※本問は編集部が作成したオリジナル問題です。学校のテスト・教科書・市販ドリルからの転載ではありません。

間違えやすい罠:内角の和の使い分けと条件の読み違い

誤答は、使う和の選び方と、条件の読み方で生まれます。例題と確認問題から、起こりやすい4つを表にします。

やりがちな間違い正しい進め方なぜずれるか
四角形の例で、180−(96+78+105)として、−99度になる360−(96+78+105)=81度三角形の180度を、図形が変わっても使い回すため。三角形が1つ増えるごとに和が180度増える意味と、つながっていない
問2で、184度を角Aの答えにする184÷2=92度求める角が2つあるのに、残りの和をそのまま1つの角の大きさにするため
問1の「角Aより15度大きい」を、角Bが15度の意味に読み、角Cを107度とする58+15=73を角Bとし、角Cは49度「〜より〜大きい」の基準を読まず、数だけを拾うため
辺が長く見える側の角を、大きい角と見る角の大きさは、2本の辺の開き具合で決まる。分度器で確かめる辺が長いほど角も大きい、と結びつけてしまうため

1行目は答えが負の数になること、2行目は4つの角の和が360度にならないことで、検算のときに気づけます。3行目は、58+15+107=180と足し合わせが合ってしまうため、検算では気づけません。問題文に戻り、角Bが角Aより大きいかを確かめます。

4行目は、計算ではなく見積もりの誤りです。手順2で角の大きさを数字で書き込んでおくと、図の見た目に引きずられにくくなります。

次に学ぶ単元:小5の単位量あたりの大きさへ

本サイトの小5算数の学習順では、角度は割合の次に置いた単元です。手が止まる場合は、手順1の紙での確かめに戻ってください。

解説では、単位量当たりの大きさは「C 変化と関係」の「異種の二つの量の割合」に置かれ、「B 図形」とは領域が分かれます。この順番は解説ではなく、本サイトの学習順に沿ったものです。

【出典】

  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」一覧ページ(【算数編】収録) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htm (2026-10-03 確認)
  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」PDF https://www.mext.go.jp/content/20211102-mxt_kyoiku02-100002607_04.pdf (2026-10-03 確認)

※本文で「解説は〜」と述べた箇所のうち、引用ブロック以外は、上記の解説をもとに教え方の地図 編集部が要約・加工したものです。文部科学省が作成した文章ではありません。

※学習指導要領は改訂されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。

まとめ

  1. 三角形の3つの角の和は180度、四角形の4つの角の和は360度で、第5学年「B 図形」の内容です。
  2. つまずきの背景には、内角の和の意味・求める角の読み取り・三角形に分ける見方の3点のどこかの空白があります。
  3. 教える順は、紙で確かめる、図に書き込む、三角形に分けて式を立てる、合計で検算する、の4段階です。
  4. 検算は、足して180度か360度に戻るかで行います。条件の読み違いは足し合わせが合ってしまうため、問題文に戻って確かめます。
  5. 次の単元は、小5の単位量あたりの大きさです。

本記事は家庭学習の参考情報であり、学校・専門機関の指導に代わるものではありません。 学習指導要領・教科書の内容は改訂されることがあります。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。 → 免責事項

最終確認日:2026-10-03

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