小5の算数は、分数・割合・図形・単位量あたりの大きさなど、扱う単元の種類が一気に増える学年です。どこでつまずいているのか分からないまま単元ごとに調べると、単元同士のつながりを見落としやすくなります。
この記事で分かること
- 小5算数で学ぶ単元の全体像と、学習指導要領上の位置づけ
- 割合・図形の角度・単位量あたりの大きさ、3つの単元の学習順とつまずきやすい点
- 前の単元とのつながりの見方と、お子さんの様子に合う解説記事の選び方
算数・数学全体の学年をまたいだ学習順は算数・数学の学び方で扱っています。本記事はその中から小5に絞り、単元の見取り図と家庭での確認ポイントに整理したものです。
対象:小学校 平成29年告示 学習指導要領(2020年度全面実施)算数編・小5
小5算数では何を学ぶか
小5算数は、学習指導要領(小学校 平成29年告示)解説 算数編において、A数と計算・B図形・C変化と関係・Dデータの活用という4つの領域で構成されています。編集部が算数編解説の第5学年の内容を基に整理すると、主な単元は次のとおりです。
- 整数の性質(偶数と奇数、約数と倍数)
- 整数・小数の記数法、小数の乗法及び除法
- 分数の意味と表し方、分数の加法及び減法
- 数量の関係を表す式
- 平面図形の性質(図形の合同、多角形の性質、正多角形、円周率)
- 立体図形の性質(角柱、円柱)
- 平面図形の面積、立体図形の体積
- 伴って変わる二つの数量の関係(比例の基礎)
- 異種の二つの量の割合(速さ、単位量あたりの大きさ)
- 割合
- 円グラフや帯グラフ、測定値の平均
これらの単元は、検定教科書によって指導する順番が前後することがあります。学習指導要領はどの学年でどの単元を学ぶかを定めたものであり、教科書ごとの目次の並びとは別の基準です。単元を探すときは、まず学年区分を確認すると、他の学年の内容と混同しにくくなります。
このうち、本サイトが教え方の手順まで個別の記事で扱っているのは、割合の文章題・図形の角度・単位量あたりの大きさの3単元です。整数の性質、小数の乗法及び除法、図形の面積や体積などのほかの単元は、本記事では扱いません。個別の記事ができた時点で、順次案内していく予定です。
また、分数の乗法及び除法は、学習指導要領上は第6学年の内容です。わる数をひっくり返してかける「分数のわり算」も、分数×整数・分数÷整数も、小6にあたります。小5で学ぶのは、分数の意味と表し方、分数の加法及び減法までです。
小5算数の単元の学習順マップ
本サイトの個別記事で扱う3単元に、小6の分数のわり算を足して、学習順に並べたのが次の図です。この順番は学習指導要領が定めたものではなく、編集部が家庭で確認しやすい流れを考えて置いた学習順です。

段階1は、割合の文章題です。もとにする量を1とみて、比べる量との関係を式にする単元です。第4学年までの整数で表せる割合を、小数や百分率へ広げる学習でもあります。ここで使う「分かる量と求める量を図に書き込んでから考える」進め方は、次の図形の角度でも使えると編集部は考えています。
段階2は、図形の角度です。三角形の3つの角の和が180度であることを使って、四角形の角へ進みます。解説の領域は、割合が入る「C 変化と関係」とは別の「B 図形」です。この領域の違いから、編集部は、割合が定着していない段階でも、角度の単元は並行して進められると見ています。
段階3は、単位量あたりの大きさです。人数も面積も違う2つを、一方を1にそろえて比べる単元です。領域は割合と同じ「C 変化と関係」で、速さも同じ項目に置かれています。図形の角度とは領域が別です。編集部は、この2つは前後を入れ替えて取り組んでもよいと見ています。
段階4は、小6の分数のわり算です。小5の範囲を外れますが、本サイトの小6の記事は、わる意味の説明に単位量あたりの見方を使います。「1あたりを求めるのでわり算」という見方です。そのため、単位量あたりは小6へ進む前に見直す位置に置きました。
この4段階は、学校で使っている教科書の単元の順番とは一致しないことがあります。お子さんの学校の進度に合わせて、該当する単元の記事から読んでください。
どの段階で手が止まっているか分からない場合は、段階1から順に、次の「単元別ガイド」にあるつまずきの3点と照らして確認します。
単元別ガイド
配下の3単元について、何を学ぶかとつまずきやすい点を要約します。つまずきの分け方は、各記事での編集部の整理であり、解説にある区分ではありません。教え方の手順と自作の確認問題は、リンク先の記事で確認できます。
割合の文章題
割合は、一方の量をもとにしたとき、もう一方の量がどれだけにあたるかを、わり算で表す単元です。第4学年の整数で表せる割合から、小数や百分率、歩合へ広がります。
つまずきは、次の3か所に分けて見ます。
- 文中のどの量を「もとにする量」とみるかを決める場面
- 式の型を丸暗記していて、求めるものが変わると式を選べなくなる場面
- 割合の表し方を、百分率・小数・歩合の間で直す場面
解説は、割合の学習が生かされる先として、第6学年の比と、中学校の「数と式」「関数」の領域を挙げています。小5算数 割合の文章題が苦手な理由と教え方には、教え方の手順と確認問題を載せています。
図形の角度
三角形は3つの角の和が180度、四角形は4つの角の和が360度という性質を、第5学年の「B 図形」で学びます。解説は、四角形の角の和が、三角形の角の和を基にして説明できる点を挙げています。本サイトが扱うのは、三角形と四角形の角を求める問題までです。
つまずきは、次の3か所に分けて見ます。
- 180度や360度が、意味のない数字の記憶になっている状態
- 問われた角がどれかを、図から読み取れない状態
- 四角形の中に、三角形を見つける見方がない状態
小5算数 図形の角度がわからない理由と教え方には、教え方の手順と確認問題を載せています。
単位量あたりの大きさ
人数も面積も違う2つの混み具合のように、そのままでは比べにくい2つを、一方を1にそろえて比べる単元です。速さは、解説で同じ項目に入っています。速さにも同じ「1あたり」の見方が使える、というのが編集部の見方です。これは解説の記述ではありません。
つまずきは、次の3か所に分けて見ます。
- 比べる前に、片方の量だけで比べてしまう場面
- 式にする場面で、「あたり」の言葉とわり算が結びつかない状態
- 答えを読む場面で、数の大小と混み具合の向きを読み違える状態
解説は、速さや単位量あたりの大きさの学習が生かされる先を挙げています。児童の生活のほか、小学校のこれからの算数と、中学校の理科の考察です。小5算数 単位量あたりの大きさのつまずきには、教え方の手順と確認問題を載せています。
分数の計算は小6の内容
分数のかけ算・わり算は、分数×整数・分数÷整数も含めて、現行の学習指導要領では第6学年の内容です。以前の課程では、分数×整数・分数÷整数が第5学年にありました。分数の計算でつまずいている場合は、小5の範囲では異分母のたし算・ひき算を確認し、かけ算・わり算は小6の学年で扱う単元として切り分けてください。
上の3単元以外の単元は、個別の記事ができ次第、このガイドに加えていきます。
順番を間違えると起きること
ここでの順番は、前項の学習順マップのことです。前の単元で身につけた見方があいまいなまま進むと、次の単元で見直す場面が出る場合があります。次の表は、学習指導要領解説の記述ではなく、編集部が整理した学習の流れです。
| 前の単元 | 次の単元 | 起きやすいこと(編集部の整理) |
|---|---|---|
| 割合の文章題 | 図形の角度 | 割合で使う「図に書き込んでから式を立てる」進め方は、角度でも使う共通点。割合で式を先に立てる形が続いている場合は、角度でも足す数と引く数を取り違えることがある |
| 図形の角度 | 単位量あたりの大きさ | 解説の領域が別のため、編集部は直接の前提関係は薄いと見ている。片方で手が止まっていても、もう片方に取り組める場合がある |
| 単位量あたりの大きさ | 小6 分数のわり算 | 「1あたりを求めるからわり算」の見方があいまいだと、小6の分数のわり算の文章題で、÷を使う場面を判断しにくい場合がある |
1行目と3行目は、前の単元の見方を次の単元でも使えるという、編集部の説明にもとづきます。2行目は、解説の領域が別であることから、編集部が前後を入れ替えても取り組めると見ている組み合わせです。手が止まった原因が前の単元にありそうな場合は、その単元の記事の手順から確かめます。
家庭で確認するときは、いまの学年の単元だけでなく、前の学年へもさかのぼります。編集部が前の学年の土台と整理しているのは、割合では第4学年の整数で表せる割合、図形の角度では第4学年の角の大きさです。直角90度・半回転180度・1回転360度の関係は、第4学年の内容です。解説は、第4学年の整数で表せる割合の生かされる先に、第5学年の異種の二つの量の割合(単位量あたり)を挙げています。どこまで理解できているかが分かると、遠回りな復習を避けやすくなります。
テスト・内申との関わり
小学校の段階では、内申点のような仕組みはまだ始まりません。通知表による観点別の評価が、学習の記録の中心になります。
内申点の評価は中学校から始まり、定期テストの点数や提出物なども対象に含まれます。算定の方法は都道府県や学校によって異なり、本記事では個別の基準を取り上げません。この変化については、進級や中学校の学習に関する記事の整備に合わせて、編集部が順次扱っていく予定です。
【出典】
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」一覧ページ(【算数編】収録) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htm (2026-10-03 確認)
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」PDF https://www.mext.go.jp/content/20211102-mxt_kyoiku02-100002607_04.pdf (2026-10-03 確認)
※本文で「解説は〜」「解説では〜」と述べた箇所は、上記の解説をもとに教え方の地図 編集部が要約・加工したものです。文部科学省が作成した文章ではありません。
※学習指導要領は改訂されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。
まとめ
- 小5算数は、数と計算・図形・変化と関係・データの活用という4領域で構成される学年です。
- 本サイトが個別記事で扱う3単元は、割合の文章題、図形の角度、単位量あたりの大きさの順に並べています。この順は解説が定めたものではなく、編集部の学習順です。
- つまずきは、各単元の記事で3か所に分けて見ます。割合はもとにする量・式の選び方・言い換え、角度は意味・読み取り・三角形に分ける見方、単位量あたりは比べる前・式・答えの読み方です。
- 分数の乗法及び除法は、分数×整数・分数÷整数を含めて第6学年の内容です。小5は、異分母分数の加法及び減法までです。
- 解説は、割合の学習が生かされる先に、第6学年の比と、中学校の「数と式」「関数」の領域を置いています。算数全体の学年をまたいだ学習順は、教科ハブの記事にまとめています。
本記事は家庭学習の参考情報であり、学校・専門機関の指導に代わるものではありません。 学習指導要領・教科書の内容は改訂されることがあります。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。 → 免責事項
最終確認日:2026-10-03