小5算数 割合の文章題が苦手な理由と教え方|教え方の地図

小5の割合の文章題の教え方を解説する記事のアイキャッチ 単元別のつまずき解説

割合の文章題で手が止まる場合は、計算の前に「どの量を1とみるか」を決められていない可能性があります。この点を先に決める手順を教えると、式を選びやすくなります。

この記事で分かること

  • 割合の文章題で、もとにする量・比べる量・割合を取り違える理由
  • 線分図で「1とみる量」を先に決める、4つの教え方の手順
  • 自作の確認問題2問と、誤答が出るしくみの整理

本記事は、小5の割合の文章題(割合・比べる量・もとにする量を求める問題)に絞って扱います。小5算数のほかの単元は小5算数の攻略ガイドに、学年をまたいだ学習順は算数・数学の学び方にまとめています。

対象:小学校 平成29年告示 学習指導要領(2020年度全面実施)算数編・小5

小5の割合では何を学ぶか

学習指導要領(小学校 平成29年告示)解説 算数編では、割合は第5学年の「C 変化と関係」に置かれています。第4学年で扱う割合は、2、3、4などの整数で表せる場合まででした。小5では小数で表される割合へ広がり、百分率も学びます。歩合の表し方にも触れます。

割合とは何かについて、解説は次のように述べています。

二つの数量の関係を,割合を用いて比べるとは,二つの数量のうちの一方を基準にする大きさ(基準量)としたときに,もう一方の数量(比較量)がどれだけに相当するのかを,比較量を基準量で割った商で比べることである。

(文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」第5学年 C(3)割合 ア 知識及び技能 (ア) 割合 印刷p.267)

解説の「基準量」「比較量」は、本記事では保護者の方に伝わりやすい「もとにする量」「比べる量」と書きます。指しているものは同じです。つまり割合は、比べる量をもとにする量でわった数のことです。もとにする量は割合の「1」にあたる量で、本記事では「1とみる量」とも書きます。

同じ第5学年の図形で学ぶ円周率も、解説は円周の長さの直径の長さに対する割合と説明しています。割合の見方は図形にも登場します。

割合の文章題でつまずく3つの取り違え

手が止まる場面の背景には、計算力よりも、次の3点のどこかに空白がある場合があります。空白の場所が違えば教える手順も変わるため、先に見分けておくと遠回りを避けやすくなります。

  1. 「もとにする量」がどれか決められない。 文中の数を、出てきた順にそのまま計算に使ってしまう形です。
  2. 求めるものが変わると式が変わることを、丸暗記で処理している。 割合を求める問題と、比べる量を求める問題では、わり算とかけ算が入れ替わります。式の型だけを覚えていると、場面が変わったときに選べません。
  3. 百分率・小数・歩合の言い換えで止まる。 25%を25のままかける、といった誤りです。

1点目に関わる箇所を、解説から引いておきます。

なお,割合は,「Bを基にしたAの割合」,「Bの□倍がA」など,様々な表現で示されるため,割合を示す表現の中から,基準量や比較量を明確にすることも必要となる。

(文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」第5学年 C(3)割合 ア 知識及び技能 (ア) 割合 印刷p.268)

次の表は、空白の場所を見当づける編集部の目安で、理解度を判定するものではありません。

お子さんの様子空白になっていそうな点先に確認すること
問題文に出てくる数を、順番どおりにわり算してしまう1(もとにする量)手順1・2
図は描けるが、かけるかわるかで迷う2(求めるものと式)手順3・4
式は合っているのに、答えの形(%・小数)が合わない3(言い換え)手順4と、手順の補足

割合の文章題の教え方:線分図でもとにする量を先に決める4つの手順

教える順は、先に「1とみる量」を決め、式はそのあとです。これが決まらないと、式の段階でどの数でわるか迷いやすくなるためです。解説は、割合を考える場面で使う図として、テープ図や数直線などを挙げています。本記事では、1本の線に量を書き込む図を「線分図」と呼ぶことにします。

割合の文章題を教える4つの手順を示した図

以下は、「町内の資源回収で、古紙を全部で64kg集めた。そのうち段ボールは24kgだった。段ボールは古紙全体の何%か」を例にした手順です。

  1. もとにする量に印をつけさせる。 「古紙全体の何%」の「の」の前にある64kgが、もとにする量です。24kgは比べる量にあたります。「〜の」の前は目印になりますが、「〜より25%多い」では「より」の前がもとです。最後は「何を1とみるか」と聞いて確かめます。
  2. 線分図に、もとにする量を1と書かせる。 1本の線を引き、右端に64kg、その下に1と書きます。先に固定しておくと、ほかの数を書く場所に迷いにくくなります。
  3. 分かっている量を書き込み、求める所に「?」をつけさせる。 24kgを線の途中に書き、その真下に「?」と書きます。24kgは64kgより短いため、「?」は1より小さい数だと図から読み取れます。
  4. 式を決め、見積もりで確かめさせる。 求めるのは割合なので、比べる量をもとにする量でわり、24÷64=0.375です。百分率にすると37.5%になります。24kgは線の半分(32kg)より手前にあるため、0.5より小さいという見込みとも合います。

手順の補足:求めるものが変わると式はどう変わるか

線分図に書く内容は同じでも、「?」がどこに付くかで式が変わります。

求めるもの「?」の位置式
割合比べる量の目盛り(1に対する位置)比べる量 ÷ もとにする量
比べる量比べる量の長さ(割合は分かっている)もとにする量 × 割合
もとにする量「1」にあたる全体の長さ比べる量 ÷ 割合

1行目は、解説が示す割合の定義そのものです。2行目と3行目は、同じ関係を式変形で書き換えた編集部の整理です。3行を別々に覚えさせず、図の「?」の位置から選ぶ形にします。

百分率は、計算に使うときに100でわって小数へ直します。125%は1.25、45%は0.45です。歩合は、基準を10とみて「割」で表す方法で、0.3なら3割です。

解説が大切にしているのは、図の関係を式にすることと、式の意味を言葉で説明することです。式を書いたあとで「この式の24は線のどこか」と聞くと、図と式がつながりやすくなります。図に慣れてきたら、手順2を「これを1とみる」という一言に縮めてもかまいません。

確認問題(編集部作成)

自作の類題を2問置きます。問1は比べる量、問2はもとにする量を求める問題です。

【確認問題】(編集部作成)

問1 ある水族館の昨日の入館者は640人でした。今日の入館者は、昨日の125%だったそうです。今日の入館者は何人ですか。

問2 学童クラブにいる5年生は63人で、これは学童クラブ全体の人数の0.45にあたります。学童クラブには、全部で何人いますか。

【解答】

問1 640 × 1.25 = 800(人)

問2 63 ÷ 0.45 = 140(人)

【解説】

問1は、手順1で「昨日の125%」の「の」の前にある、昨日の640人をもとにする量と決めます。手順2・3で640人を1とみて線に書き、125%を1.25に直して、今日の人数に「?」をつけます。手順4で式にして800人です。125%は100%を超えるため、今日は昨日より多いはずで、見込みと合います。

問2は、手順1で「学童クラブ全体の人数」をもとにする量と決めます。手順2・3で全体を1とみて、5年生の63人を0.45の位置に書き、全体の長さに「?」をつけます。手順4で63÷0.45=140人です。

手順4の見積もりでは、0.45は半分より少し小さいため、全体は63人の2倍(126人)より少し多いはずで、見込みと合います。かけ算にすると28.35人となり、人数が小数になるため、見直しの合図です。

※本問は編集部が作成したオリジナル問題です。学校のテスト・教科書・市販ドリルからの転載ではありません。

間違えやすい罠:もとにする量の取り違えと百分率の扱い

誤答は、もとにする量の決め方と、百分率を式に入れる直前の処理で生まれます。資源回収の例と問1を使って、しくみを表にまとめます。

やりがちな間違い正しい進め方なぜずれるか
64÷24 とわって、約2.67を割合にする24÷64 とする。もとにする量の64kgがわる数「大きい数を小さい数でわる」など、数の見た目で式を決め、もとにする量を決める手順が抜けるため
640 × 125 とかけて、80,000人にする125%を1.25に直し、640×1.25とする百分率の「125」を、基準を100とみた表し方だと意識せず、数字だけを取り出すため
「昨年より25%増えて150個」から、150×0.75で112.5個とする昨年の個数をもとにする量とし、150÷1.25=120個とする最後に出てくる150個を基準にして、「25%を引けばもとに戻る」と考えるため。25%に当たる大きさは、基準によって変わる
割合を求める問題で、「0.375kg」と答える0.375、または37.5%と答える割合は量ではなく、量どうしの比べ方を表す数であり、kgなどの量の単位がつかないため

見積もりで気づけるのは、1行目と2行目の誤答です。一部の量が全体より大きくなる割合や、桁がずれた人数になるためです。3行目と4行目は見積もりでは気づきにくいため、手順1の「何を1とみるか」と、答えの形の確認で防ぎやすくなります。

3行目は、増えたあとの量から、もとの量を求める形です。求めた値を式に戻して確かめると、取り違えに気づけます。120×1.25は150ですが、112.5×1.25は150になりません。

次に学ぶ単元:小5の図形の角度へ

割合は、小5算数の学習順で最初に置いた単元です。手が止まる場合は、「何を1とみるか」の読み取りに戻って確認してください。

解説は、割合で育つ力が第6学年の比や、中学校の「数と式」「関数」領域などの考察に生かされると述べています。なお、これは編集部の補足ですが、次の図形の角度でも、分かる量と求める量を図に書き込んでから考える進め方を使えます。

【出典】

  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説」一覧ページ(【算数編】収録) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htm (2026-10-02 確認)
  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」PDF https://www.mext.go.jp/content/20211102-mxt_kyoiku02-100002607_04.pdf (2026-10-02 確認)

※本文で「解説は〜」と述べた箇所のうち、引用ブロック以外は、上記の解説をもとに教え方の地図 編集部が要約・加工したものです。文部科学省が作成した文章ではありません。

※学習指導要領は改訂されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。

まとめ

  1. 割合は第5学年の内容で、比べる量をもとにする量でわった数です。
  2. つまずきの背景には、もとにする量の特定・求めるものと式・言い換えの3点のどこかの空白があります。
  3. 教える順は、もとにする量を探す、線分図に1と書く、分かる量と「?」を書く、式にして見積もる、の4段階です。
  4. 求めるものが変わると式が変わるため、式は図の「?」の位置から選ぶ形で伝えます。
  5. 割合は小5算数の入口の単元で、次の単元は小5の図形の角度です。

本記事は家庭学習の参考情報であり、学校・専門機関の指導に代わるものではありません。 学習指導要領・教科書の内容は改訂されることがあります。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。 → 免責事項

最終確認日:2026-10-02

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