つまずいたお子さんに何から復習させるか迷う保護者の方へ。復習の順番は、つまずいた単元の前提を1つずつさかのぼって決める進め方を、編集部の整理として示します。暗記が中心の内容は、さかのぼらず、範囲を区切って繰り返します。
この記事で分かること
- 復習の順番が行き違いやすい3つの場面
- 積み上げ型と暗記型の見分け方と、型ごとの復習の順番
- 算数・数学で、前提をどう戻るかの考え方
本記事が扱うのは、算数・数学を例にした、復習の順番の考え方です。定期テスト前1週間の時間配分、内申点、単元ごとの解き方、国語・理科・社会ごとの復習順は扱いません(解説での確認を算数編・数学編に限ったためです)。算数でどこまで前の学年に戻るかは、算数は前の学年に戻って復習すべきかが担当です。
対象:小学校 平成29年告示 学習指導要領(2020年度全面実施)算数編 対象:中学校 平成29年告示 学習指導要領(2021年度全面実施)数学編(算数・数学を例に扱います)
教科の復習順は、教科名ではなく単元のつながりで決める
結論は、復習の順番を3段階で決める進め方です(編集部の整理)。
- つまずいた単元の前提を、1つ戻って確かめる。
- 前提も怪しければ、もう1つ戻る。
- 暗記が中心の内容は、戻らずに、範囲を区切って繰り返す。
どの段階を使うかは、教科の名前では決まりません。その内容が前の単元の上に積み上がるかどうかで決めます。
復習の順番が空振りしやすい行き違いを、次の3つに整理しました(編集部の整理)。
- つまずいた単元だけを繰り返す。 原因が前の単元にあると、同じ間違いが続くことがあります。
- どの教科も、どの単元も同じ順で復習させる。 前提をたどる内容と、覚えているかを確かめる内容では、合う順番が違います。
- 戻る先を決めずに、教科書の最初からやり直す。 必要な単元に着くまで時間がかかることがあります。
復習順の判断材料:学習指導要領解説の系統性と、積み上げ型・暗記型の見分け方
復習の順番は、内容が前の単元に積み上がるのか、覚えているかどうかが答えに直結するのかで変わります。この区分は編集部が整理したもので、算数編・数学編の解説に出てくる型の名前ではありません。
文部科学省の解説(算数編)は、算数の内容が系統立てて組まれていると述べています(印刷p.28)。数学編の解説(第4章 指導計画の作成と内容の取扱い)は、新しい内容を教えるとき、前に学んだ関連内容をあえて取り上げ直すことへの配慮を示しています。例は、中2の一次関数の変化の割合の指導で、中1の反比例を取り上げる場面です。目的は、グラフの形などの理解を確かにし、変化の割合が一定でない関数があると理解することだと説明しています。学び直しは復習の機会を増やすだけの意味ではない、とも注意しています(印刷p.164)。
ただし、印刷p.28は算数の内容の性格、印刷p.164は学校の指導計画作成上の配慮についての記述です。どちらも、家庭での復習の順番を示したものではありません。本記事は、これらを家庭で戻る先を決める手がかりと読みます(編集部の読み)。
2つの型は、次の表のように見分けます。
| 見分けるポイント | 積み上げ型 | 暗記型 |
|---|---|---|
| 特徴 | 前の単元の理解が土台になり、次の内容へ積み重なる | 用語・決まりなど、覚えているかどうかが答えに直結する |
| 算数・数学での例 | 分数の計算、割合、方程式、比例と関数 | 乗法の九九、単位どうしの関係 |
| 間違えたとき | 前の単元に戻り、つながりを確かめる | 覚え直し、確かめる回数を増やす |
| 復習の順番 | 前提を1つ戻り、必要ならもう1つ戻る | 戻らずに、範囲を区切って繰り返す |
教科の中には、両方の型が混ざる場合があります。算数・数学は、積み上げ型の単元と、九九のような暗記型の内容の両方を含む教科です。教科全体で型を決めると、この混在を見落とすことがあります。そのため、型は単元や項目ごとに決めてください。
なお、算数編の解説は、分数の除法を例に、公式を意味抜きで覚えさせるだけの指導に終わらず、原理・原則の理解を大切にするよう述べています(印刷p.24)。この記述は、公式や手順を型に分類したものではありません。公式や計算の手順は、意味とのつながりを確かめる必要があるため、積み上げ型として扱います(編集部の整理)。
定期テストの範囲を項目ごとに仕分けて配分する方法は、定期テスト前1週間の教科別勉強法の決め方で扱います。本記事の型は、復習でどこへ戻るかを決める見方です。

上の図は、型ごとの復習の順番の違いを示します。「1つずつ」「数回」は編集部の目安です。
パターン別の復習順:前提を1つ戻る、もう1つ戻る、範囲を区切る
お子さんの状況を3つに分けて、結論を出します。判断の材料は、前提の単元の基本を説明できるか、解けるかどうかです。この材料と、確かめる問題数・見直す回数は、編集部の整理と目安で、解説や研究が定めた数ではありません。
パターン1:前提の単元は答えられる場合(1つ戻る)
前提にあたる単元で、基本の問いに答えられる場合です。基本を口頭で説明してもらうか、基本の1問を解いてもらって確かめます。答えられるなら、戻るのはそこまでで、元の単元へ進みます。原因は、元の単元の中にあると読めるためです。
パターン2:前提の単元も怪しい場合(もう1つ戻る)
前提の単元でも、説明が止まる、基本の1問を間違える場合は、そのさらに前提へ、もう1つ戻ります。戻った先では、確かめる範囲を基本の1〜2問に絞ります。単元全体をやり直すと、元の単元へ戻る日が遠くなるためです。
戻る先が前の学年に入る場合の判断は、冒頭で触れた算数の復習順の記事が担当です。
パターン3:暗記が中心の内容の場合(範囲を区切る)
九九や単位どうしの関係のように、覚えているかどうかが答えに直結する内容は、前提をさかのぼりません。確かめる範囲を小さく区切り、同じ範囲を日をあけて数回見直します。できなかった項目だけを次の回に残すと、1回の量が膨らみにくくなります。
1つの単元に両方の型が混ざる場合は、積み上げ型の前提確認を先に済ませ、暗記型は別枠で回します。
算数・数学で前提をたどる例と、家庭での進め方
算数・数学の中には、前の単元の上に積み上がる単元もあります。解説が示す単元どうしのつながりは、戻る先を決める手がかりの1つです。小5と中1の2つの例を見ます。
まず小5の例です。
例えば,「A数と計算」の領域の第5学年での小数の乗法・除法の学習では,整数の場合と同様の乗法・除法のきまりや性質が成り立つことを確認するなど,演算の意味を統合・発展させることになる。また,この小数の乗法・除法の学習で身に付ける内容は,「C変化と関係」の領域の同じく第5学年での二つの数量の関係を取り扱う割合や単位量当たりの大きさの内容の理解を支えるものであり,相互の学習が影響し合いながら演算や計算結果の意味を統合的に捉える力が漸次育成されていくことになる。
(文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」第2章 算数科の目標及び内容 第1節 算数科の目標 2 学年の目標 (1)学年の目標の設定についての考え方 印刷p.32)
上の引用は、つまずいたときの戻る先を述べたものではありません。編集部は、割合や単位量当たりでつまずいた場合に確かめる候補の1つとして、小数の乗法・除法を挙げる手がかりと読みます(編集部の読み)。割合の単元そのものの教え方は、小5算数 割合の文章題が苦手な理由と教え方に整理しました。解説は、学習が互いに影響し合うとも述べています。そのため、戻る先は決め打ちしません。候補として確かめます。
中1の例です。解説(数学編)は、中1の比例・反比例の学習を、小学校の比例(第5・6学年)の上に立つものと説明しています。あわせて、変域や比例定数を、正の数と負の数まで広げるとしています(印刷p.84〜86。第3章 第1学年の目標及び内容 C関数 (1)比例,反比例)。比例でつまずいた場合、戻る先の候補は、小学校の比例と、中1の正の数・負の数です(編集部の読み)。中1の比例と反比例の単元そのものは、中1数学 比例と反比例の違いがわからない理由で扱っています。
2つの例は、戻る先が同じ領域の中だけとは限らない点も共通すると読みます(編集部の読み)。単元どうしの位置づけは、算数・数学の学び方 学年別につまずきを整理で見渡せます。
家庭で順番を伝えるときは、次の3点を守ります。
- 戻る先を、「この単元の前に習った内容を、1問だけ見る」のように範囲を限って伝える。戻るのは確認のためだと添える。
- 戻る先では、基本の1〜2問に絞る(編集部の目安)。確認できたら、元の単元へ戻る。
- 戻る回数は、2つまでを目安にする(編集部の目安)。
この復習順の考え方が合わない場合
次のような場合は、本記事の手順が向きません。
- 定期テストが近く、範囲が決まっている場合。 復習の順番より先に、範囲全体の時間配分を決める必要があります。戻る復習は、その配分の一部です。
- 前提を2つ戻っても固まらない場合。 学年をまたぐ判断が要ります。算数の復習順の記事を確認し、授業での様子は学校の先生に尋ねてください。
- 国語・理科・社会の復習順を決めたい場合。 本記事は算数・数学の解説を手がかりにしたため、国語・理科・社会の復習順は扱いません。
【出典】
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」 https://www.mext.go.jp/content/20211102-mxt_kyoiku02-100002607_04.pdf (2026-10-03 確認)
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_004.pdf (2026-10-03 確認)
※本文で「解説は〜」と述べた箇所のうち、引用ブロック以外は、上記の解説をもとに教え方の地図 編集部が要約・加工したものです。文部科学省が作成した文章ではありません。「積み上げ型」「暗記型」は編集部の整理で、上記2つの解説にある型の名前ではありません。
※学習指導要領は改訂されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。
まとめ
- 復習の順番は、教科名ではなく、内容が前の単元の上に積み上がるか、覚えているかが答えに直結するかで決めます。
- 積み上げ型は、前提を1つ戻り、怪しければもう1つ戻ります。確認できたら元の単元へ進みます。
- 暗記型は、さかのぼらずに、範囲を区切って繰り返します。
- 算数・数学では、解説が示す単元どうしのつながりを、戻る先の手がかりにできます。家庭の復習手順を定めたものではありません。
- 定期テスト前の配分と、学年をまたぐ判断は、それぞれ別の記事で扱います。
本記事は家庭学習の参考情報であり、学校・専門機関の指導に代わるものではありません。 学習指導要領・教科書の内容は改訂されることがあります。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。 → 免責事項
最終確認日:2026-10-03
