内容は合っているのに点を失うことがあるお子さんは、答えの形にずれがある場合があります。問いの文末、本文の根拠、主語の3点を決まった順で確かめると、書き直す場所を見つけやすくなります。
この記事で分かること
- 点を失う場合がある3つの点と、戻り先の目安
- 問いの文末から主語・字数の確認までの5つの手順
- 自作の説明文で試せる確認問題(3問)と、部分点が分かれる点
本記事が扱うのは、説明文を読んで答える記述問題を、家庭で見直すときの確かめ方です。特定のテストの採点基準は示しません。物語文の心情、説明文の要点、指示語・接続語の読み取り、作文は、ここでは扱いません。小1・小2と中2以降も対象外です。
対象:学習指導要領(小学校 平成29年告示・2020年度全面実施)国語編の第3〜6学年、同(中学校 平成29年告示・2021年度全面実施)国語編の第1学年
国語の記述問題の書き方では、何を学ぶか
小学校・中学校の国語編の解説の本文には、「記述問題」「採点」の語が出てきません。「文末を『〜から。』にそろえる」といった作法も載っていません。本記事ではこれを編集部の整理として扱い、学校の指示があればそちらを優先します。
記述問題は、読んで理解したことに基づく考えの形成、考えや根拠の書き表し方、文の組み立ての3つが1問に重なった形と捉えられます(編集部の整理)。次の表は、編集部が関連すると考えた項目の一部です。
| 学年 | 関連すると考えた項目 | 関連する解説のページ(印刷・編集部の整理) |
|---|---|---|
| 小3・小4 | 読むこと「考えの形成」、書くこと「考えの形成,記述」「推敲」、知識及び技能「文や文章」 | 小学校 p.111〜112/p.103〜105/p.82〜83 |
| 小5・小6 | 読むこと「考えの形成」、書くこと「考えの形成,記述」、知識及び技能「文や文章」 | 小学校 p.150/p.141〜142/p.120〜121 |
| 中1 | 読むこと「考えの形成,共有」、書くこと「考えの形成,記述」「推敲」 | 中学校 p.71/p.62〜63 |
文の書き出しと文末の関係を、第5学年及び第6学年の解説は語句の係り方に含めています。
文の中での語句の係り方とは,主語と述語との関係,修飾と被修飾との関係に加え,文の書き出しと文末表現の関係などを含めた文の中の語句と語句との係り受けのことを指している。
(文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」第3章 各学年の内容 第3節 第5学年及び第6学年の内容 1 〔知識及び技能〕 (1) 言葉の特徴や使い方に関する事項 カ 文の中での語句の係り方や語順,文と文との接続の関係,話や文章の構成や展開,話や文章の種類とその特徴について理解すること。 印刷p.120)
この記述は1つの文の中の関係を述べたもので、本記事は答えの1文の主語と文末の対応を確かめる手がかりにします(当てはめは編集部の整理)。
国語の記述問題で点を失う場合がある3つのつまずき
形のずれを減点するかどうかは、学校・テスト・入試ごとに異なります。ここでは、答案を見て確かめやすい3点に絞りました(編集部の区分)。
- 問いの文末と、答えの文末が合っていない。 「なぜ」と問われて「〜こと。」で終える形や、「どのようなことか」と問われて「〜から。」で終える形です。内容が合っていても、問いに答えた形に読めない場合があります。近い記述として、小3・小4の書くことの解説は、理由を書く場面で「なぜなら〜」「〜ためである」などの表現を使えるようにすることを求めています(印刷p.104)。ただし書くことの解説にある表現の例で、設問への答え方を定めたものではありません。
- 本文の言葉を使わず、自分の言葉や感想だけで書く。 根拠が答えに残らず、「〜と思う」で終わる形です。中学校第1学年の書くことの解説には、文章の中に根拠を書き込むことについての説明があります(中学校 印刷p.63)。本記事は、答えに本文の根拠が残っているかの確認に当てはめます(編集部の整理)。
- 主語や「何が」が抜けて、意味が通らない。 根拠をつなぐうちに文が長くなり、書き出しの主語と文末の述語が対応しなくなる形です。第3・第4学年の解説には、文の組み立てを理解する場面で、主語と述語の関係と、修飾と被修飾の関係に気を付ける、という説明があります(印刷p.82〜83)。
戻り先の目安です(編集部作成。診断ではありません)。
| 答案の様子 | 背景にありそうな点 | 先に戻る手順 |
|---|---|---|
| 「なぜ」の問いに、「〜こと。」で終わる答えを書く | 1(文末のずれ) | 手順1・4 |
| 本文にない言葉ばかりで、「〜と思います」で終わる答えを書く | 2(本文の言葉が無い) | 手順2・3 |
| 書き出しの主語と、文末の述語が対応していない答えを書く | 3(主語の欠落) | 手順3・5 |
国語の記述問題の書き方:問いの文末から確かめる5つの手順
以下は編集部の設計案です。順に確かめると、答案のどこで止まっているかを見つけやすくなります。

- 問いの文末を確かめさせる。 「なぜ」「どのようなことか」「どうなるか」に印を付けさせ、字数と「本文の言葉を使って」などの条件も囲ませます。問われ方が決まらないと文末の型を選べないため、最初に確かめます。
- 本文の根拠に線を引かせる。 問いに関わる箇所に線を引かせ、複数あるときは番号を振らせます。先に線を引くと、下書きを本文の言葉で組み立てやすくなります。
- 根拠をつないで、1文の下書きを作らせる。 線を引いた言葉を「〜ので」「〜ため」でつなぎ、主語から書かせます。下書きでは、文末の形は気にさせません。内容と形を同時に直すと、どちらを直したのか分からなくなるためです。
- 問いの文末に合う形へ書き直させる。 理由を問う設問は「〜から」「〜ため」、内容を問う設問は名詞で結ぶ形、といった対応は編集部の整理です。学校の指示や問題集の解答例があれば、それに合わせます。
- 読み返して、主語・述語と字数を確かめさせる。 書き出しの主語と文末の述語が対応しているか、指定の字数に収まっているかを確かめさせます。第3・第4学年の推敲の解説は、間違いを正す際の注意点に、主語と述語の関係の明確さや表記の仕方などを挙げています。このほか、敬体と常体・断定や推量といった文末表現の使い方も挙げています(印刷p.104〜105)。この文末表現は、問いの型に合わせることではありません。
手順2で、指示語の指す内容が分からず線を引けない場合は、国語 指示語と接続語の読み取り方の基本に戻ります。説明文で段落の役割に不安がある場合は、国語 説明文の読解のコツ 要点のつかみ方で練習できます。
書くこと自体を嫌がる場合は、答え方より先に、取り組む状況を見立てるほうが合うことがあります。声かけは、勉強しない子への声かけを状況別に考えるで扱っています。
確認問題(編集部作成)
この確認問題は、保護者の方が答案を読み、手順1〜5のどこで止まったかを見立てる使い方を想定しています。お子さんには文章と設問だけを渡し、答えは紙に書いてもらってください。
【確認問題】(編集部作成)
本文を読み、次の3問に答えてください。
題名:体育館の床の線
(第1段落)体育館によっては、床に色のちがう線が何本も引かれています。これらは、バスケットボールやバレーボールなど、競技ごとにコートの範囲を示す線です。
(第2段落)競技ごとに線の色を変えておくと、同じ床にコートの線が重なっていても、見分けられます。
(第3段落)はじめて使う体育館では、自分の競技の線の色を先に確かめるのがよい方法です。色の決め方は体育館ごとにちがい、ほかの競技の線を目安にしてしまうことがあるからです。
問1 競技ごとに線の色を変えておくと、どうなりますか。30字以内で答えてください。
問2 第3段落で、書き手がすすめているのは、どのようなことですか。40字以内で答えてください。
問3 はじめて使う体育館で、自分の競技の線の色を先に確かめるのがよい方法なのは、なぜですか。本文の言葉を使って、60字以内で答えてください。
【解答例】
問1 同じ床にコートの線が重なっていても、見分けられる。
問2 自分の競技の線の色を、先に確かめること。
問3 色の決め方は体育館ごとにちがうので、ほかの競技の線を目安にしてしまうことがあるから。
答案の文末(常体か敬体か、「こと」「から」の形)は、学校の指示に合わせます。
【解説】
問1は、手順1・3・5の確認です。「どうなりますか」の問いには、述語(見分けられる)まで書きます(手順1)。第2段落の言葉をつなぎ、主語(線が)から書き(手順3)、読み返して主語の有無を確かめます(手順5)。
問2は、手順1・2・4の確認です。「どのようなことですか」の問い(手順1)には、名詞(こと)で結びます(手順4)。第3段落の「自分の競技の線の色」「先に確かめる」に線を引き、その言葉を使います(手順2)。
問3は、手順2・3・4の確認です。理由は、「色の決め方は体育館ごとにちがう」と「ほかの競技の線を目安にしてしまうことがある」の2点です(手順2)。「〜ので」でつなぎ(手順3)、文末を「〜から」にそろえます(手順4)。
部分点が分かれるとしたら、次の点が目安になります(編集部の想定。配点は示しません)。採点基準は学校・テストごとに異なり、学校の指示や問題集の解答例が優先です。
| 問 | 確かめる点 | 対応する手順 |
|---|---|---|
| 問1 | 「何が」(コートの線)が入っているか/「見分けられる」で結べているか/「重なっていても」が入っているか | 手順3・5 |
| 問2 | 「自分の競技の線の色」が入っているか/「先に確かめる」が入っているか/「こと」で結べているか | 手順2・4 |
| 問3 | 理由の前半(色の決め方は体育館ごとにちがう)/後半(ほかの競技の線を目安にしてしまう)/文末が「から」か | 手順2・3・4 |
※本問は編集部が作成したオリジナル問題です。学校のテスト・教科書・市販ドリルからの転載ではありません。
間違えやすい罠:主語の欠落、文末のずれ、感想への置き換え
次の表は、確認問題で想定される誤答の例です。誤答も右列の理由も、編集部の推定です。
| やりがちな間違い | 正しい進め方 | なぜずれるか |
|---|---|---|
| 問1を「重なっていても、見分けられる。」と答える | 「何が」を入れ、「同じ床にコートの線が重なっていても、見分けられる。」と書く | 手順3で主語から書かず、手順5で主語の有無を読み返さないため |
| 問1を「コートの線。」と答える | 問いは「どうなりますか」なので、述語(見分けられる)まで書く | 手順1で問われ方を確かめず、名詞で止めるため |
| 問2を「線の色を見ること。」と答える | 本文の「自分の競技の線の色」「先に確かめる」を入れる | 手順2の線引きを飛ばし、自分の言葉に置き換えるため |
| 問3を「ほかの競技の線を目安にしてしまうことがある。」と答える | 理由を問われているため、文末を「〜から」「〜ため」に直す | 手順4を飛ばし、本文の言葉をそのまま写すため |
| 問3を「体育館ごとに色の決め方がちがうから。」と答える | 理由の2点(色の決め方が体育館ごとにちがう/ほかの競技の線を目安にしてしまう)をつなぐ | 根拠の一部だけを拾い、手順3のつなぎを省くため |
次に学ぶ単元:国語の単元記事は、ここで一区切り
前提になる読み方が曖昧な場合は、下の記事から確かめる進め方もあります。
- 前提になる単元:国語 指示語と接続語の読み取り方の基本
- 関連する単元:国語 説明文の読解のコツ 要点のつかみ方
- 次に学ぶ単元:なし(本サイトの国語の単元記事は、現時点でこの記事が最後です)
【出典】
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」PDF https://www.mext.go.jp/content/20220606-mxt_kyoiku02-100002607_002.pdf (2026-10-03 確認)
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」PDF https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_002.pdf (2026-10-03 確認)
※本文で「解説は〜」と述べた箇所のうち、引用ブロック以外は、上記の解説をもとに教え方の地図 編集部が要約・加工したものです。文部科学省が作成した文章ではありません。
※学習指導要領は改訂されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。
まとめ
- 小学校・中学校の国語編の解説は、設問の採点基準を示していません。採点基準は、学校・テスト・入試ごとに異なります。
- 答案で点を失う場合がある点として、問いの文末のずれ、本文の言葉の不足、主語の欠落の3つに絞りました(編集部の区分)。
- 確かめる順は、問いの文末、本文の根拠、1文の下書き、文末の書き直し、主語・述語と字数の読み返しです。文末を整えるのは、内容が合ってからです。
本記事は家庭学習の参考情報であり、学校・専門機関の指導に代わるものではありません。 学習指導要領・教科書の内容は改訂されることがあります。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。 → 免責事項
最終確認日:2026-10-03

