定期テスト前の1週間に、どの教科へ何分ずつ割り振るか迷う保護者の方へ。配分は教科の名前ではなく、テスト範囲の中身で決めます。数学の計算のように積み上げが要る範囲は前半、用語の暗記は後半に置くのが、本記事の基本の考え方です。
この記事で分かること
- 配分がずれやすい3つの見方と、範囲の型で決める考え方
- 7日前から前日までの配分を決める5つの手順
- 編集部作成の確認問題で、配分表を作って確かめる流れ
本記事が扱うのは、定期テスト前1週間の時間配分の決め方です。内申点の仕組み、提出物の扱い、教科ごとの復習の順番、各単元の解き方、英語と実技教科は扱いません。評価が入試でどう使われるかは、内申点はどこで決まるのか 提出物と定期テストが参考になります。中2の2学期に絞った進め方は、中2内申点を2学期で上げるための優先順位の担当です。
対象:中学校 平成29年告示 学習指導要領(2021年度全面実施)に基づく学習評価と、中学生の定期テスト。
定期テスト前1週間の教科別勉強法は、範囲の型で配分を決める
結論は、範囲表を「積み上げ型」と「暗記型」に分け、型ごとに置く時期を変える進め方です(編集部の整理)。型は、教科ではなく範囲表の項目ごとに決めます。
配分がずれやすい見方は、次の3点です(編集部の整理)。
- 全教科を同じ時間で割る。 範囲の広さも難しさも教科ごとに違うため、足りない教科と余る教科が出ることがあります。
- 暗記の範囲を前日にまとめて詰め込む。 前日に見直す量が多いと、間違いに気づいても、直す日が残りません。
- 範囲表を見ずに、教科書やワークの全体を最初から復習する。 範囲外に時間を使い、出る範囲の確認が後ろにずれることがあります。
3点とも、「何を、いつ、どれだけ」が範囲表と結びついていません。
判断に使う材料:定期テストの位置づけと、積み上げ型・暗記型の見分け方
中央教育審議会教育課程部会の報告は、学習評価の観点を3つに整理しています。「知識・技能」と「思考・判断・表現」、それに「主体的に学習に取り組む態度」です。報告は、知識・技能の評価で、筆記のテスト(ペーパーテスト)の問題が事実の知識に偏らない工夫を挙げています。
報告は「定期テスト」の語を使っていませんが、学校の筆記の定期テストはペーパーテストの一つと考えられます(編集部の読み)。この読みに立てば、定期テストは学校が評価に使う材料の一つです。報告は、答申を引いて、評価をペーパーテストの結果にとどめず多面的・多角的に行う必要がある、と述べています。評価が定期テストの結果だけで決まるとは限りません。
評価は調査書を通じて高校入試の資料になる、と報告は述べています。内申点は通称で、調査書の評定や、それを入試で点数にしたものです。報告によると、調査書をどれだけ重く使うかは、選抜方法で異なります。都道府県ごとの違いは、本記事では扱いません。
範囲・実施日・出題の形式は学校によって異なることがあるため、範囲表と日程表が出発点です。
範囲の型は、次の表のように見分けます。この区分は編集部の整理で、学習指導要領や報告が定めた分類ではありません。
| 見分けるポイント | 積み上げ型の範囲 | 暗記型の範囲 |
|---|---|---|
| 特徴 | 前の単元の理解が、次の内容の土台になる | 用語・語句・地名など、覚えているかどうかが答えに直結する |
| 例 | 数学の計算・方程式・関数、理科の電流の計算 | 国語の漢字・文法の用語、理科の用語、社会の用語・地名 |
| 間違えたとき | 前の単元に戻って、解き直す時間が要る | 覚え直して、繰り返し確かめる回数が要る |
| 置く時期の考え方 | 前半。やり直す余裕を残すため | 後半。試験日に近い日に繰り返すため |
教科の中には両方の型が混ざるため、「数学は積み上げ型」のように教科全体で決めず、範囲表の項目ごとに仕分けます。理科なら、電流の計算は積み上げ型、化学変化の用語は暗記型です。国語や社会の文章・資料の読み取りは、どちらにも当てはめにくい範囲です。本記事では、日を分けて回す扱いで、積み上げ型の側に置きます(編集部の判断)。
積み上げ型の例に、一次方程式の文章題(中1数学 一次方程式の文章題が立式できない理由)や一次関数(中2数学 一次関数がわからない理由と教え方)があります。
定期テスト前1週間の配分の決め方:5つの手順
7日前から前日までを日ごとに区切り、範囲表を型で仕分けしてから時間を置きます。手順は編集部の設計案です。
- 範囲表と日程表を並べ、教科ごとの試験日と提出物の期限を書き出す。 試験日が早い教科は、先に仕上げる必要があるためです。
- 範囲表の項目ごとに、積み上げ型か暗記型かを決め、量を書く。 教科の中で型が混ざるため、項目単位で分けます。量はページ数や語数で書きます。
- 使える時間を、日ごとに出す。 平日と休日、習い事や部活の予定で変わるため、教科より先に家庭で書き出します。
- 前日、後半、前半の順に時間を置く。 まず前日を、間違えた問題と覚えにくかった語を見直すだけの日として確保します。次に暗記型を後半、残りの前半に積み上げ型を置きます。動かせない日を先に決めると、前半に入る量が見えるためです。
- 3〜4日前に点検日を置き、予備枠を1回分残す。 点検日には、積み上げ型の範囲が終わっているかを見ます。終わっていなければ予備枠を使い、それでも足りないときは暗記型の2回目を、間違えた語だけに絞って調整します。
時間が足りないときは、前日の確認を全教科に残したうえで、前回の答案で取りこぼしが大きかった範囲から先に時間を確保します。得意・苦手の差が大きい教科では、苦手の側ほど解き直しや覚え直しに時間が要るためです(編集部の考え)。

上の図は、手順4・5の置き方です。
確認問題(編集部作成):範囲表から配分表を作る
架空の条件(編集部設定)で、手順どおりに配分表を作れるか確かめます。
【確認問題】(編集部作成)
条件:試験は来週の火曜で、今日は7日前の火曜です。4教科とも前日の月曜までに仕上げる設定にします。使える時間は、平日(火・水・木・金・月)が各60分、土日が各120分です(時間数は例で、推奨時間ではありません)。前回の答案では、数学の文章題の立式で最も多く点を落としました。範囲表は次のとおりです。
- 数学:連立方程式の計算と文章題(ワーク12ページ)
- 国語:漢字の読み書き(40語)、文法の用語、物語文の読み取り(2教材)
- 理科:化学変化の用語(教科書8ページ)、電流の計算(ワーク6ページ)
- 社会:地理の用語・地名(教科書14ページ)
問1 範囲表の7項目を、積み上げ型・暗記型・どちらにも当てはめにくい範囲に分けてください。
問2 使える時間の合計を出し、前日と予備枠を先に決めて、7日間の配分表を作ってください。予備枠は60分です。
問3 金曜(4日前)の点検日に、数学の文章題が終わっていないと分かりました。配分表をどう直しますか。
【解答】
問1 積み上げ型は、連立方程式の計算と文章題、電流の計算の2項目です。暗記型は、漢字、文法の用語、化学変化の用語、地理の用語・地名の4項目です。物語文の読み取りは、どちらにも当てはめにくい範囲で、本記事では積み上げ型の側に置きます。
問2 合計は、平日5日が300分、土日が240分で、540分です。配分表の一例は次のとおりです。
| 日 | 時間 | 内容 |
|---|---|---|
| 火(7日前) | 60分 | 数学:連立方程式の計算の解き直し60分 |
| 水(6日前) | 60分 | 数学:文章題の立式30分、理科:電流の計算30分 |
| 木(5日前) | 60分 | 数学:文章題の立式の2回目30分、国語:物語文の読み取り30分 |
| 金(4日前) | 60分 | 点検20分、数学:計算の確認20分、国語:物語文の2回目20分 |
| 土(3日前) | 120分 | 理科:化学変化の用語30分、社会:地理50分、国語:漢字20分・文法の用語20分 |
| 日(2日前) | 120分 | 予備枠60分、社会:地理の2回目20分、理科:用語の2回目20分、国語:漢字・文法の用語の2回目20分 |
| 月(前日) | 60分 | 確認だけ。4教科を各15分 |
問3 日曜の予備枠60分を、数学の文章題に回します。足りなければ、日曜の暗記型の2回目を、1回目で間違えた語だけに絞ります。
【解説】
問1は手順2の確認です。教科の名前だけで「理科は暗記」と決めると、電流の計算が後半に回り、解き直す日が残りません。
問2は手順3〜5の確認です。前日と予備枠の各60分を先に置き、点検の20分を除く400分を、積み上げ型が前半、暗記型が後半になるよう配りました。教科別の合計は、前日の確認を含めて数学155分、国語125分、理科95分、社会85分です。
問3は手順5の確認です。積み上げ型の遅れは前日の確認だけでは取り戻しにくいため、予備枠を数学へ先に回し、暗記型の2回目を絞って調整します。
※本問は編集部が作成したオリジナル問題です。学校のテスト・教科書・市販ドリルからの転載ではありません。
定期テスト前の配分でやりがちな失敗と直し方
起こりやすいずれを表にまとめました(編集部の整理)。
| やりがちな進め方 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 予備枠を置かず、毎日の時間を埋め切る | 1日ずれると、後半の暗記型の繰り返しが削られることがある | 点検日と予備枠を、計画を作る時点で決める |
| 苦手な教科だけに時間を寄せる | 他の教科の確認が薄くなり、前日の見直しも抜ける場合がある | 前日の確認だけは、全教科に残す |
| 「理科は暗記」のように、教科の名前だけで型を決める | 計算の範囲が後半に回り、解き直す日が残りにくくなる | 範囲表の項目ごとに型を決める |
| 保護者が配分表を作り、お子さんには渡すだけにする | 所要時間の見積もりが合わず、守りにくくなる場合がある | お子さんが所要時間を見積もり、保護者が合計時間と予備枠を確認する |
この配分の考え方が使えない場合
次のいずれかに当てはまる場合は、本記事の配分の考え方をそのまま使えません。
- 範囲表が配られない場合。 項目に分けられないため、先に学校へ範囲を確認します。
- 教科ごとの試験日が離れている場合。 教科ごとに試験日から7日前を数え直し、手順を使います。
- 英語や実技教科を含めて計画する場合。 例と手順は4教科(数学・国語・理科・社会)に限り、英語・実技教科は扱いません。
【出典】
- 文部科学省「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(中央教育審議会教育課程部会・平成31年(2019年)1月21日) https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/01/__icsFiles/afieldfile/2019/01/21/1412838_1_1.pdf (2026-10-03 確認)
※本文で上の資料の内容を述べた箇所は、教え方の地図 編集部が要約・加工したものです。文部科学省が作成した文章ではありません。
※学習評価の考え方は、改訂・変更されることがあります。本記事の記述は上記資料の確認時点のものです。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。
まとめ
- 配分は、教科の名前ではなく、範囲表の項目ごとに「積み上げ型」と「暗記型」で決めます。
- 積み上げ型は前半、暗記型は後半に置き、前日は確認だけにします。
- 手順は、試験日の書き出し、型の仕分け、使える時間の算出、前日から順に置くこと、点検日と予備枠です。
- 時間が足りないときは、前日の確認を全教科に残し、取りこぼしが大きい範囲から確保します。
- 範囲・日程・出題は学校によって異なることがあるため、範囲表と日程表を見て決め直します。
本記事は家庭学習の参考情報であり、学校・専門機関の指導に代わるものではありません。 学習指導要領・教科書の内容は改訂されることがあります。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。 → 免責事項
最終確認日:2026-10-03

