国語 説明文の読解のコツ 要点のつかみ方|教え方の地図

国語の説明文の読解のコツを解説する記事のアイキャッチ 単元別のつまずき解説

説明文を読んだあとで「結局、何が言いたい文章か」を言えない場合は、全部の文を同じ重さで読んでいる可能性があります。段落ごとの役割を一言で書かせ、まとめの段落から要点を1文にする順で教えると、止まっている場所を確かめやすくなります。

この記事で分かること

  • 要点がつかめない3つのつまずきと、戻り先の目安
  • 話題の把握から根拠の指示までの5つの手順
  • 自作の短い説明文を使った確認問題と、誤答の型

本記事が扱うのは、説明文(解説の用語では説明的な文章)で、書き手が伝えたい中心を段落どうしの関係から読み取る方法です。物語文の心情、指示語・接続語、記述問題の書き方と、小1・小2、中2以降の学年は扱いません。

対象:学習指導要領(小学校 平成29年告示・2020年度全面実施)国語編の第3〜6学年、同(中学校 平成29年告示・2021年度全面実施)国語編の第1学年

国語の説明文の読解では、要点のつかみ方で何を学ぶか

学習指導要領の解説は、説明文の段落どうしの関係や要旨の把握を、「C 読むこと」の「構造と内容の把握」に置いています(ページは下の表)。第3学年及び第4学年では段落どうしの関係に着目します。解説は、その関係の例として、結論に対する理由と、考えに対する事例を挙げています(印刷p.109)。

第5学年及び第6学年では、要旨について、解説が次のように述べています。

要旨とは,書き手が文章で取り上げている内容の中心となる事柄や,書き手の考えの中心となる事柄などである。

(文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」第3章 各学年の内容 第3節 第5学年及び第6学年の内容 2 〔思考力,判断力,表現力等〕 C 読むこと (1) ア 事実と感想,意見などとの関係を叙述を基に押さえ,文章全体の構成を捉えて要旨を把握すること。 印刷p.147)

学年ごとの着目点は次のとおりです(編集部の整理)。

学年説明文で着目する点解説の該当ページ(印刷)
小3・小4段落どうしの関係(考えと、理由や事例)小学校 p.108〜109
小5・小6事実と感想・意見の関係、文章全体の構成、要旨小学校 p.146〜147
中1中心的な部分と付加的な部分、事実と意見の関係、要旨中学校 p.67〜68

小学校・中学校の国語編の解説は、説明文の読み方を示す箇所で「要点」の語を使っていません。解説が使う語の例は、小3・小4の「要約」(小学校 印刷p.110)と、小5・小6と中1の「要旨」(小学校 印刷p.147、中学校 印刷p.68)です。本記事は、書き手が伝えたい中心を「要点」と書きます(対応づけは編集部の整理)。

登場人物の心情を読み取る物語文は、手がかりが別になるため、国語 物語文の読解のコツ 心情の読み取り方で扱っています。

説明文の要点がつかめない3つのつまずき

要点がつかめない理由は、次の3点に分けて考えられます(編集部の区分)。

  1. 全部の文を同じ重さで読んでしまう。 中心でない文まで同じ重さで覚えようとすると、「何の話か」が残りにくくなります。文章全体の構成を捉えることが要旨の把握に必要になると、解説は述べています(印刷p.147)。
  2. 「問い」の段落と「答え」の段落が結び付かない。 問いの文が第1段落、答えが最後の段落にあると、間の段落を読むうちに問いを見失う形です。「問い」「答え」は編集部の呼び方です。文章によっては、問いの文が無いこともあります。
  3. 具体例を要点だと思ってしまう。 例は印象に残りやすく、要点として写す形です。解説は、段落どうしの関係に着目する点の一つに、考えが事例によってどう具体化されているかを挙げています(印刷p.109)。

戻り先の目安です(編集部作成。診断ではありません)。

お子さんの様子背景にありそうな点先に戻る手順
読み終えて「何の話だったか」と尋ねても、答えが出ない1(同じ重さで読む)手順1・4
問いの文には気づくが、答えを別の段落から探せない2(問いと答えの対応)手順2・3
要点を尋ねると、本文の具体的な例ばかり答える3(例との取り違え)手順3・4

説明文の読解のコツ:要点をつかむ5つの手順

以下は編集部の設計案です。物語文は場面の前後を比べますが、説明文は段落どうしの関係から役割を決めます。手順は1つずつ試すと、どこで止まるかを確かめやすくなります。

説明文の要点をつかむ5つの手順を示した図
  1. 題名と最初の段落から、話題を短い言葉で言わせる。 「ごみの分別の話」のように、短い句で答えさせます。話題が決まっていると、あとの段落が中心か、支える部分かを判断しやすくなります。
  2. 問いの文を探して印を付けさせ、答えがありそうな段落を予想させる。 「〜でしょうか」「なぜ〜のか」の形の文が目印です。問いの文が無い文章では、書き手が述べたいことを先に示した文を探します。
  3. 各段落の役割を、「問い」「答え」「例」「まとめ」などの一言で書かせる。 段落の横に、番号と一言だけを書かせます(例:1 問い、2 答え)。役割を先に決めると、中心と付加の区別が付きます。段落冒頭の「たとえば」「つまり」は、役割を決める手がかりです。指示語が何を受けているのか読み取れない場合は、国語 指示語と接続語の読み取り方の基本で扱います。
  4. まとめにあたる段落を中心に、要点を1文で書かせる。 「つまり」「このように」で始まる段落や、問いへの答えが言い切られた段落が目安です。「〜は、…です」の形にそろえ、本文の言葉を使ってかまいません。要約の仕方として、解説は、自分の言葉に言い換える方法のほか、元の文章の構成や表現を生かす方法も示しています(印刷p.110)。例の内容は入れません。
  5. 要点の根拠を、本文の言葉で指させる。 声かけは「どの段落のどの言葉からそう言えるのか」です。根拠にあたる文を、指で示させます。要点に読み手の思いが混ざっていたら、否定せず、別の欄に書かせます。

小3・小4は、手順3の言葉を「問い」「答え」「例」「まとめ」の4種から始め、小5以上は「事実」「意見」の区別も加える進め方が考えられます(編集部の設計案)。要点を字数や文末まで整えて書く場面は、国語 記述問題で点を失いやすい書き方と確かめ方で扱います。

確認問題(編集部作成)

手順1〜5を使う練習として、編集部作成の短い説明文を用意しました。出題は保護者の方が行い、お子さんには文章と設問だけを見せて答えてもらう形です。問1と問2は、手順3の役割の一言の付け方を先に伝えてから出題してください。解答・解説は保護者の方向けです。

【確認問題】(編集部作成)

次の説明文を読み、あとの問いに答えてください。

題名:冷蔵室の食べ物の入れ方

(第1段落)冷蔵庫の冷蔵室に食べ物を入れるときは、すき間をあけたほうがよいとされています。それはなぜでしょうか。

(第2段落)理由は、冷たい空気の通り道をふさがないためです。物をぎっしり入れると、冷たい空気が奥まで届きにくくなります。

(第3段落)たとえば、棚の奥に袋を重ねて入れると、まわりの空気が動きにくくなり、その袋は冷えにくくなることがあります。

(第4段落)このように、冷蔵室には、冷たい空気が回るように、すき間をあけて食べ物を入れるのがよいのです。

問1 第1〜4段落は、それぞれ「問い」「答え」「例」「まとめ」のどれにあたりますか。段落ごとに書いてください。

問2 この文章で書き手が最も伝えたいことを、「〜のがよい」の形で、40字以内の1文で書いてください。

問3 問2の答えの理由にあたる一文を、本文から抜き出してください。

【解答】

問1 第1段落は問い、第2段落は答え、第3段落は例、第4段落はまとめ。第1段落のうち、問いの文は2文目の「それはなぜでしょうか。」

問2 例:冷蔵室には、冷たい空気が回るよう、すき間をあけて食べ物を入れるのがよい。「すき間をあける」と「冷たい空気が回る」の2点があれば認めてかまいません。「袋」の話は入れません

問3 第2段落の「物をぎっしり入れると、冷たい空気が奥まで届きにくくなります。」。第2段落1文目の「理由は、冷たい空気の通り道をふさがないためです。」も可

【解説】

問1は、手順1〜3の確認です。題名と第1段落から、話題は食べ物の入れ方と分かります(手順1)。「それはなぜでしょうか」が問いの文で、直後の第2段落が答えです(手順2)。「たとえば」で始まる第3段落は例、「このように」で始まる第4段落はまとめです(手順3)。

問2は、手順4の確認です。まとめの第4段落を中心に、1文にします。第3段落の「棚の奥の袋」は、考えを具体的に説明する例の側にあるため、入れません。

問3は、手順5の確認です。要点の理由は、第2段落の文に書かれています。

※本問は編集部が作成したオリジナル問題です。学校のテスト・教科書・市販ドリルからの転載ではありません。

間違えやすい罠:例を要点に入れる、問いを写す

確認問題で想定される誤答の整理です。誤答の例も、理由の列も、編集部の推定です。

やりがちな間違い正しい進め方なぜずれるか
問2を「棚の奥に袋を重ねると冷えにくい」と答える要点は第4段落の「すき間をあけて入れるのがよい」を軸にする。第3段落は例として切り分ける例が具体的で印象に残り、手順3の役割決めを飛ばすため
問2を「すき間をあけたほうがよいのはなぜか」と答える問いの文ではなく、問いへの答えを、「〜のがよい」の形で書く問いの文と答えの文を区別せず、手順2を飛ばすため
問1で、第2段落と第4段落のどちらも「答え」と答える第2段落は問いへの理由、第4段落は全体を言い直した段落。「このように」が目印になる段落の位置だけで決め、役割を言葉にしないため(手順3)
問2を「冷蔵庫はよく考えられていると思った」と答える要点は、書き手が述べていること。読み手の思いとは分けて書く読み手の思いと要点を分けず、手順5を飛ばすため
問2に、第1〜3段落の内容を全部入れて長く答える要点は1文で、中心だけを書く。例や理由の細部は入れない全部の文を同じ重さで読み、手順1・4を飛ばすため

この確認問題はまとめが最後にある構成ですが、まとめを先に述べてから理由や例を続ける文章もあります。その場合も手順3で、内容から役割を決めます。

次に学ぶ単元:指示語と接続語の読み取り方へ

次は、役割を決める手がかりになる指示語と接続語です。この単元は、根拠を文中で指す動作を前提にしています。前提の単元にもつまずきが残る場合は、先にそちらを確認してください。

【出典】

  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」PDF https://www.mext.go.jp/content/20220606-mxt_kyoiku02-100002607_002.pdf (2026-10-03 確認)
  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」PDF https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_002.pdf (2026-10-03 確認)

※本文で「解説は〜」と述べた箇所のうち、引用ブロック以外は、上記の解説をもとに教え方の地図 編集部が要約・加工したものです。文部科学省が作成した文章ではありません。

※学習指導要領は改訂されることがあります。本記事の記述は上記告示時点のものです。

まとめ

  1. つまずきは、同じ重さで読むこと、問いと答えの対応が見えないこと、具体例との取り違えです(編集部の整理)。
  2. 教える順は、話題、問いの文、役割の一言、要点の1文、本文の言葉での根拠の指示です。
  3. 要点は、まとめの段落を中心に、例を除いて1文で書かせます。根拠を本文で指せるかも確認します。

本記事は家庭学習の参考情報であり、学校・専門機関の指導に代わるものではありません。 学習指導要領・教科書の内容は改訂されることがあります。最新の情報は学校・教育委員会にご確認ください。 → 免責事項

最終確認日:2026-10-03

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